決勝はアーサー・アッシュ・スタジアム。
ストローラー持ち込みだったので、専用エレベーターでスタンドへ。25番ゲートのそばにストローラー置き場があって、そこから先は抱っこ紐での観戦。
決勝戦は、女子ではグラフ、ナブラチロワ、クリス・エバートなどと並んでレジェンド中のレジェンド、セリーナ・ウィリアムズが大坂の相手。米国開催とあって、会場内の多くはセリーナの応援。しかし、場所がニューヨークということもあって、日本人のファンも大勢詰め掛けていたし、ハイチ系と思われるファンも大坂なおみを応援していた。普通の欧米人の中にも大坂を応援しているファンはいて、セリーナ一色というほどではなかった。
試合前のセレモニーが終了して、選手入場。ここからは結構早い。試合を観ていたので、試合中の写真はあまりない。望遠レンズを日本に置いてきてしまったというのもあるんだけれど。
今日の大坂はサーブが好調で、おかげで他の全てのプレイも安定していた。パワーが当然セリーナを優っているので、ほとんどつけいる隙がない。
サーシャ・バインコーチを中心としたチーム大坂の皆さんはこちらに(写真中央、アメックスの広告の真上)。
途中、セリーナがナーバスになって審判に詰め寄る場面などもあったのだけれど、大坂はペースを乱されることもなく、淡々と、そして確実にチャンピオンへのプレイを継続していた。いつもなら大坂のメンタルが気になるので、グランド・スラムのタイトルが近づくにつれ、ナーバスになるんじゃないかと心配していたのだけれど、その前にセリーナが自滅した格好だった。
ちょっと残念だったのは、主審がセリーナとどんなトラブルを抱えていたのか、場内にきちんとした説明がなかったこと。多くの観客はコートで何が起きているのかわからず、突然ゲームカウントが4−3から5−3になってしまったので、ひどいブーイングが起きて、会場の雰囲気が悪くなった。試合の流れを止めたくないのかもしれないが、プロの試合は選手と審判だけでなく、観客も含めて作り上げていくものなので、説明は必要だろう。
そうこうしているうちに、あっという間に第二セット第10ゲーム。ゲーム・カウントは6−2、5−4。
15−0からの大坂のサーブ。
30−15からの大坂のサーブ。
一度目のマッチポイント。40−15からのサーブ。
そして、40−30からのサーブ。
このサーブをセリーナが返せず、試合終了。
完勝である。良いときの大坂なおみであれば、相手がハレプであろうと、セリーナであろうと、全く問題がない。一発で局面を変えてしまう強烈なサーブが最大の武器だが、弱点はラケットを叩きつけるような精神面。今日の試合は心配された精神面の弱さが全く見当たらなかった。気持ちのコントロールがうまくいっていた点はセリーナと対照的だった。
スタンドのチーム大坂と抱き合う大坂なおみ。
試合後のインタビューとセレモニー。
そして、会場を出ると、すでにボードには大坂なおみの名前が書き込まれていた。
未来の選手が、新しいチャンピオンの誕生を祝福していた。