2020年07月27日

夜会VOL.20 リトル・トーキョー 劇場版

夜会の劇場版がようやく公開になったので観てきた。

このブログをいつも読んでいる人なら言うまでもないことだが、僕は中学生から中島みゆきのファンで、今年のコンサートツアーも新宿、金沢、渋谷で三回観に行くほどだ(コロナのせいで結局8公演しかなかったので、3回観たのはかなり多い方だと思う)。夜会も第一回から欠かさず観ていたのだが、会場が赤坂に移って、過去作の再演が増えてきたあたりでさぼるようになった。このリトル・トーキョーは僕が米国に移住したこともあって、新作にもかかわらず未見だった。

夜会の最大の弱点は、夜会のための書き下ろし曲が増えてきた頃から、歌詞を完全に聴きとることが難しくなって、ストーリーを追いきれなくなったことだと思う。中島みゆきの発声が悪いのではなく、使う言葉が難しくて馴染みがなかったり、同音異義語で、聴き取れても意味がわからなかったりする。今日も試しに意味がわからないところを数えてみたのだが、最低でも11回、意味がわからないところがあった。特に新橋の場面の冒頭の曲は、ほとんど何を言っているのかわからないところがあった。

とはいえ、今日の夜会は多少歌詞が不明でも、内容面で迷子になることはなかった。ストーリーは普通の演劇に比較すればストレートでひねりがなく、食い足りなく感じるぐらいだった。全曲書き下ろしではなかったのも良かった。

音質も良かったと思う。ただ、音量が大きい場面と小さい場面で差があって、小さい場面では迫力不足に感じた。

画質はどうなんだろう。今回は空いていることが予想された佐野109で観たのだが、画面が暗くて鮮明度も低かったと思う。これならブルーレイ&有機ELの環境で、自宅で観た方が満足度が高いのではないだろうか。これは映画の画質ではなく、映画館のハード、スクリーンの性能の問題だと思う。

中島みゆきファンとしては満足だが、演劇ファンとしてはストーリーがもうひとつ。映像としては、新しい映画館を推奨。音量はもう少し工夫してくれると良かった。

映画として評価すると、中島みゆきファンのバイアスがかかって星2つ。  

Posted by buu2 at 17:40Comments(0)中島みゆき││編集

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2020年07月25日

もののけ姫

風の谷のナウシカが思いの外面白かったので、やはり一度しか観ていないもののけ姫を観てみた。

この頃からジブリは説教臭くなってきたと思うのだが、じゃぁつまらないかというとそんなことはなくて、これは宮崎アニメの代表作の一つと言っても良いだろう。「これはうまいなぁ」と感じるような演出はあまり見当たらず、普通なところが凄かった。

内容としては、差別を正面から取り上げていたり、自然と人間との関わりという、公開から20年以上経っても解決していない主題に取り組んでいるところが凄い。その上で、予定調和的なエンディングにならず、課題として残しておくところに好感を持った。二つの勢力の争いにせず、複数の勢力が利害を念頭にして複雑に関わり合っていくところも面白かった。小さい子供には難しかっただろうけれど。

一番良かったのは主題歌。劇中で流れるのだが、歌詞がわかりやすく、曲も歌声も素晴らしい。エンディングでもう一度聴けるところもサービス満点で嬉しかった。

ちょっとどうなのかな、と思ったのは、犬たちの言葉。音声をかなり加工してあって、何を言っているのか聞き取れないところが複数あった。大事なセリフなので、もう少し聞き取りやすいと良かったと思う。

この作品は、よっぽどホームシアターに力を入れている人以外は、映画館で観るべき映画だと思う。評価は☆3つ。  
Posted by buu2 at 21:00Comments(0)映画 2004以前││編集

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2020年07月22日

風の谷のナウシカ(ネタバレあり)

映画館で観るのは35年ぶりだろうか。実はテレビでもビデオでも初見以来観ていなかった。

もちろん観ていなかった理由はあって、ラスト近くで死んだはずのナウシカが蘇生するのが納得できなかったからだ。

新型コロナのせいで新作公開が減ってしまい、過去の名作を再映する動きがあって、ジブリものも4作品が再上映されることになったので、折角だからと観に行った。

この作品が公開された頃僕は高校生で、アニメージュの連載漫画も読んでいた。連載が一時中断して、映画が漫画完結の前に上映されたのだが、どうも納得のいかないラストだった映画よりも、上映が終了したあとに完結した漫画版ナウシカの方が好きだった(これは「アキラ」でも同じ)。

しかし、今回観てみて、まず「一度死んだはずなのに」というのが誤解だったと分かった。確かに強く暗示はされているものの、誰かが脈を取って「ご臨終です」と宣告したわけではなかった。これまで何人もの人に「あの生き返るラストは納得いかない」と言ってきたので、僕とこの話題で話した友達たちには申し訳ない。

王蟲に怪我を治癒させる特殊能力があるのは少々疑問が残るのだが、この程度は受け入れるべきだろう。

その上で、通してこの作品を観てみると、色々な良いシーンがあって、ラストまでのストーリーも良く、声優たちも魅力的だった。

演出では飛行機のシーンなどがうまいなぁと感心した。

声優に関して個人的にツボだったのは、まずクシャナの榊原良子が翌年ゼータガンダムでハマーン・カーンを演じていて、その演出がそっくりなのが面白かった。ちょうど今NHKでリマスター版が放映されている「未来少年コナン」と共通している声優が何人かいるのも面白かった(クロトワがレプカとか、ミトがダイス船長とか)。

漫画の三分の一ぐらいのところを無理やり映画化して完結させてしまったので、予定調和な部分があるのは否めないのだが、十分面白かった。

評価は☆2つ半。これ、三部作でリメイクしたら傑作になりそう。  
Posted by buu2 at 16:54Comments(0)映画 2004以前││編集

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