上野はかつてはとんかつの名店街だったけれど、老舗が半分以上閉業してしまい、残された店は数店しかない。この店もそういう店の一つ。今回は何十年ぶりかで食べに行ってみた。
肉は旨みがしっかりした一級品。筋切りのために叩いているようだが、若干叩き過ぎで肉汁が流出している気配がある。それ以外は素晴らしい。揚げている温度が低く、衣に少しの脂が残っていて、これが風味づけになっている。
ご飯の炊き具合、味噌汁の出汁、漬け物、キャベツとどこを取っても非の打ち所がない。老舗のプライドが感じられる。
特上ロースの定食にすると税抜きで4900円になるが、この価格には見合ったとんかつである。ただ、その価値を理解できる人がどのくらいいるのかはわからない。「美味しいけど高いなぁ」と感じる人が大量発生する予感がある。これだけきちんと作っていたらこのくらいの価格にはなっちゃうよなぁ。
とんかつ本を改訂するなら掲載間違いない。