エピソード1
見えざる脅威
デジタル上映に積極的なルーカス・フィルムは日本の映画館のインフラ整備の遅れを指摘しつつ、デジタル上映こそが制作者の意図を正確に反映しているとのコメントを発してしまった。
この非常事態に20世紀フォックス・ジャパンは果てしない討議を繰り返すばかり。遅れているインフラ整備を急がせるために、ルーカス・フィルムはデジタル映像とドルビー・システムの守護神ドルビー・デジタル・シネマの騎士をひそかに派遣した・・・
エピソード2
フィルムの攻撃
突然ルーカス・フィルムから先々行上映館、先行上映館でのデジタル放映の禁止命令が下ったのだ。
この動きの先頭に立つのはプロデューサーのリック・マッカラム。ルーカス・フィルムの先導に逆らい、先々行、先行上映でデジタル上映するのは容易なことではなかった。
かつてアジア初のデジタル上映の日劇もこの動きには無力だった。先々行上映、先行上映でのデジタル上映を支援すべきか否か。投票を待つまでもなく、結論は明らかだったのである・・・
エピソード3
デジタルの復讐
この争いを勝利に導くべく、英雄はフィルムとデジタルの両方に現れた。しかし、デジタルは今や日本中の25の映画館で上映される。
悪魔のように冷酷で巧妙に設計されたデジタル上映のリーダー、ドルビー・デジタル・シネマ(D.D.C.)は、さらに驚くべき速さで日本の映画館の象徴的な劇場である日劇の1つ、日劇3を手中に収めた。
デジタル至上主義者たちは、貴重な人質である日劇3をフィルム上映館から連れ出そうとする。一方、フィルム上映館達は日劇3を救出する必死の工作を続けていた・・・
エピソード4
新たなる希望
さらにその上映の合間にフィルム軍はデジタル軍のシステム情報を盗み出すことに成功。それはフィルム上映館を粉々にするパワーをもち、日劇に導入される予定の4K新型スクリーンの設計図だった。
フィルム軍の指導者は映画館に秩序を回復するため、その設計図を携え、秘密基地へと急いだ。しかし、すぐ背後にはデジタルの上映館が迫っているのであった・・・
エピソード5
フィルムの逆襲
有楽町の日劇1を死守したフィルム軍はデジタル軍を追い詰め、とうとう日劇3を奪い返した。 日劇3はもともとフォーカスが甘く、音響の目玉として導入されたドルビーシステムは思ったような効果を上げない。ピンボケの中で光る物体の彩色だけが目立ち、原因不明のハングアップまで発生して上映停止を余儀なくされたのである。
テキサス・インスツルメント社率いるデジタル派は複数のDLP上映館を派遣したが、109シネマズMM横浜、T・JOY大泉も破壊され、これらの主要基地からの撤退を余儀なくされた。 恐怖のフィルム軍から逃れたデジタルの戦士達は、辺境の映画館、MOVIXさいたまで上映を続けたのである。
新しい上映館を探すことに執念を燃やすテキサス・インスツルメント社は、新たな使者をシネ・リーブル千葉ニュータウンへと放ったのだった・・・
待て、緊迫のエピソード6!!