ここから話は財政に。質問されたことに答えないのは小泉さんの専売特許じゃない?パネリストもそろそろ眠いのかな?
田原:次は財政行きます。自民と民主を比較する。自民は2010年までにプライマリーバランス黒字だと。これは例えば去年で言えば30数兆のうち、19兆が積み重なっている。今年で言えば14兆。これをゼロにすると。2007年度を目途に税体系の抜本的改革を行うと。民主党はそれに対して3年間で10兆円の歳出カット。18兆円の補助金廃止。8年目にプライマリーバランス黒字化。さぁ、これで荻原さん、どっちが良い?
荻原:私は税金に対して一言言いたい。税の公平性というのがある。小渕さんのときに3つの減税をやっている。ひとつは高額所得者の50%の税率を37%、法人税34.5%を30%に、サラリーマンの定率減税をやった。ところが景気が良くなったといって、戻したのはサラリーマンだけ。それなら他のも戻すのが筋。
福島:それをやるだけで2.3兆円捻出できる。
山本:それは景気の状況を見てやっている。
平野:それは自自連立のときにやったはず。あらゆる税制改革の第一歩としてやった。しかし、結局自自公の協議ができず、そのまま。それは企業に対する配慮だと思う。また公明の支持者はサラリーマンが少ないから、それもある。
遠山:定率減税の部分は半分廃止をした。今サラリーマン増税と言われている・・・
田原:あなたはすぐ横にいっちゃう。どうしてもどさないのか。
遠山:議論を始めるべきだと思う。
田原:法人税減税、富裕者の問題が解決しなかったら分裂でも良いの?
遠山:粘り強く交渉する。
松原:今の税率は国際的にみて良い水準だ。所得税を5割にしちゃうと地方税入れると60数%になると主要国ではない。
大門:大企業と高額所得者から取れというのは共産党が言ってきたこと。
田原:共産党は昔から言い方が悪い。大企業が敵だって言ってきた。
大門:そんなことない。大企業のフリーキャッシュが82兆ある。それは税金として取るべきだということになってきている。
福島:荻原さんが言っているのはそのとおりで、元にもどすだけで2.3兆円捻出できる。なぜやらないかといえば勝ち組政治だから。
田原:宮崎さん、勝ち組政治というのはどう?最近不平等を色々言っているが。
宮崎:アメリカと日本とどっちが酷いのかというのもある。アメリカは圧倒的な格差がある。中国にもある。格差がでてきているのはグローバリゼーションの一つの帰結である。新自由主義とグローバリゼーションは共役的な関係にあるから、それは一つの構造的な問題である。日本はある意味社会主義的な仮面をつけてやってきたので・・・
福島:世界の国はそれを再配分してやってきているのであって・・・
田原:ちょっと待って。僕は日本は先進国の中で格差が少ない国だと思うんだけど。アメリカの経営者は平気で15億、20億と取ってる。日本の経営者はせいぜい6000万円。
宮崎:フランスは10%近く失業者がいる。軒並み多いですよ、ヨーロッパは。北欧諸国は失業率は低いけれど国民負担率は異常に高いわけです。
福島:ただ、逆に言うと所得の再分配とか、福祉が充実しているとか・・・
宮崎:いや、ああいう国は人が少ないんだよ。
田原:世界には3つのパターンがある。高福祉高負担、低福祉低負担、日本は中福祉中負担。福島さんはそれをスウェーデンにしようといってる。大雑把に言えばそういうこと。福島さんは高福祉高負担で良いんでしょう?
福島:公共サービスが・・・・
田原:ややこしいことはどうでも良いんだよ。それで自民党はどっちかというと低福祉低負担に行きたいんだよ。そこで、民主党はどっちなの?
蓮舫:中福祉中負担です。
田原:じゃぁ、みんな同じじゃん。
蓮舫:手段が違うんです。
松原:じゃぁちょっと福島さんに聞きたいけど、どの位所得税を取ろうというんですか?今はゼロから5の間で再配分しているけど、どこまで上げたいんですか?
福島:平成7年の税制に戻す。1800万円以上を40%、3000万円以上が50%、1800万未満は現行どおり。
松原:そうするとね、一番上が5割。地方税を入れると65%とか、67%とかになる。
金子:税率だけの問題じゃない。課税ベースというのがある。
松原:所得税率をどうするのかは重要。
田原:難しい話はやめよう。自民と民主はどこが違うのかな。
松原:ちょっと、その表が間違ってる。2010年じゃなくて、自民党が言ってるのは2010年初頭。となると、民主党と一緒。アンバランスが15兆6000億円ですから、このアンバランスを8年ぐらいでゼロにするというのは一緒。
田原:どうやってゼロにするの?
松原:たとえば10兆円の歳出を削減すると民主党には書いてありますね。でも、それじゃまだ5兆円足りないから、それをどうにかしなくちゃならない。自民党は小泉さんが任期終了してから、消費税を含めて抜本改革する。
田原:具体的には消費税を何パーセントにするの?
松原:歳出を10兆円カットできれば数%で済む。歳出をカットできなければ10数%あげなくちゃならない。民主党は3年間はあげないと言ってる。3年間が終ってから消費税をあげることになると思う。
田原:民主は消費税はどの位上げるの?
蓮舫:これから検討する。
松原:民主党はわかりやすくて、3年間で10兆減らすと言っているから、消費税は2%・・・
田原:10兆円の歳出カットはできるの?
松原:非常に厳しいですね。
山本:10兆円ね、中身を見ると、実現不可能だと思います。小泉内閣でも公共事業を削ってきた。例えば直轄事業を半分にするといってるけど、維持費や防災を引いたらそれこそ数千億しかない。羽田の拡張もできない、高速道路もほとんどやめなくちゃならない、しかもこれから7兆円ぐらい歳出増。でも、マニュフェストをみても17兆円を削る筋道は書かれていない。
末延:国直轄を切らない限り官制談合はなくならないから、あれは地方に渡した方が良い。
遠山:民主党は地方向けの補助金を2割カットして2.8兆円出すといってる。ところがこの内訳のうち、医療が6.4兆円、介護が1.9兆円、義務教育3.0兆円、これを一律2割カットしたら、教員で言ったら小中学校の先生一気に12万人減らさなくちゃならないし、医療負担は3割から5割にアップするし、介護に使うお金は全くないってことになる。お題目だけ減らすっていうのは・・・・
蓮舫:できるできない以前に数値目標を出してこない自公と議論したくない。
山本:じゃぁ、どうやって減らすのか説明してくださいよ。そんな無茶苦茶な実現不可能な数字を出してきちゃだめですよ。
宮崎:じゃぁ、自民党は直轄公共投資をどの位減らすの?
遠山:昔10兆越えていたのをもう2.6兆まで減らした。民主党はそれをさらに半分にしようというのが民主党の案。民主党が減らすと言っているものの中には公共施設の耐震化の費用が入っている。こんだけ国民が地震がきたらどうしようと・・・
田原:勝谷さん、両方の意見を聞いてどう?
勝谷:やれるんなら民主党やれば良いんだと思う。田中さん(長野県知事)が最近逆風吹いているけど、長野県知事にした責任があるから、小泉さんと田中さんはほとんど同じ期間やってるけど、小泉さんはその間に170兆の借金をした。その間、田中さんは560億円の借金を返した。やればできる。本当に小さなことを積み重ねたらできる。民主党の絵が絵空事だというなら、まず自分達が描いてみてください。
遠山:今政府の歳出が増えているのは社会保障の自然増です。高齢者が増えていることによって増えている。例えば今年度は何もしなくても8000億円が増えてしまう。それを5300億円まで減らすと。こまごまとした努力はしている。ただ、長野県の老人は入院期間も短くて・・・
勝谷:そういう具体論をいってるんじゃない。
田原:これは非常にわかりやすい。自民党は現実論。政権を取ってない民主党はやや理想論。当たり前。理想論があっても良い。
福島:ただ、自民党は大きな政府か小さな政府かと言っているが、そこには異論があって、小さな政府というならなんで1兆4000億円もかけて・・・
田原:それは違う問題だから、コマーシャル。