2006年11月17日

■ブログのビジネス利用

ご存知の通り、ブログとは、HTMLのウェブサイトよりも更新が簡単なシステムです。これまでのウェブサイトの最大の問題点は、「作ったのは良いけど、更新していくのが大変」ということでした。更新するたびにウェブ業者に頼まなくてはならないのでは話になりませんし、だからといって一からHTMLについて勉強するのも大変です。結局、世の中のウェブサイトはネット内に存在する「表札」「看板」のようなものになってしまいました。書いてあることと言えば「会社はここにありますよ」「連絡先はここですよ」「うちの会社はこんなことをやっていますよ」といった程度のことで、その内容は数ヶ月前に見たものとなんら変わりがありません。そういうサイトにお客様がたびたび来てくれるはずもなく、「あの会社はどこにあるんだっけ?」と思ったときにちょっとgoogleで調べてアクセスする、程度のものとなってしまったわけです。しかし、特にB to Cの会社の場合、望んでいることはこういったことではないはずです。お客様の生活の一部に食い込んで、お客様のニーズがあったときにはもちろん、ちょっと時間ができたときにもふらっとアクセスしてもらって、会社からのメッセージを読んでもらえるのが一番のはずです。おはようからおやすみまで暮らしを見つめられてしまうのはちょっと怖いですが、ふと顔をあげるとそこにある、というのが多くの会社にとっての理想像なのではないでしょうか。

こうしたニーズにブログはぴったりとフィットします。デザイン上の制約などはありますが、その一方で、一度作ってしまえば誰でも更新が可能で、必要なときにすぐにメッセージを発信できるのです。フラッシュばりばりでデザインに懲りまくったウェブサイトの存在意義を否定するわけではありませんが、見た目よりも中身で勝負しよう、という会社があっても不思議ではありません。私は色々なタイプのブログを実際に運営し、そのポテンシャルを洗い出し、いくつかの提案をしてきました。それをまとめたのが昨年の頭に出版した「ブログ・ビジネス」という本です。その後、SNSを筆頭に様々なシステムが台頭してきて、「何でもかんでもブログでGO!」という状況ではなくなりましたが、今もこれからも、ブログが多くの、特に中小企業にとって強力な武器になるのは間違いないでしょう。

ブログのビジネス利用にあたっては、Movable TypeのようなソフトウェアをWebサーバに組み込んで使用するのが一般的ですが、社長ブログなどではライブドアやココログなどのサービスを利用するケースも少なくありません。実際、ライブログのサイトは「ぶろぐん」というソフトを利用していますし、この社長ブログ(Return of the まにあな日記)の場合はライブドアの無料サービスを利用しています。なぜ会社のサイトはサーバ組み込みが好ましく、社長ブログは一般ブログサービスでも良いのでしょうか?

会社のブログをサーバ組み込みにしたほうが良いのにはもちろん理由があります。これはほとんどどのブログサービスでも言えるのですが、夜間や特定のイベントなどがあったとき、あるいは会員数が突然増加した際などに、サービス提供側でアクセスの急増に追いつけず、アクセスや更新が困難になることがあります。最近はきちんとウォッチしていないのですが、以前はライブドアでも頻繁に更新が不可能になっていましたし、Yahoo!やSo-netなどはもっと更新、アクセス環境が劣悪な状態でした。自社の都合でアクセスが困難になるのであれば納得できますが、他社の都合によってアクセスが困難になってしまうのでは困ってしまいます。たまたまその時期が新しいサービスの投入などにぶつかってしまったら目も当てられません。また、そういうケースはほとんどありませんが、突然サービス提供会社が倒産してしまい、サービスの提供がストップしてしまう可能性もゼロではありません。自社の公式なサイトを他社に下駄を預けるような状況に置いてしまうのは好ましくありません。

一方で、社長ブログの場合は公式ブログとはやや異なる状況があります。それは、社長ブログの役割が会社の公式サイトとは若干異なるからです。僕の場合、この社長ブログは完全な遊びサイトとして運営していますが、以前のほりえもんのブログや、アメブロの藤田さんがライブドアでやっていたブログなどは会社の情報発信の要素もかなり含んでいました。こうしたブログは、もちろん自社の宣伝の要素もあるわけですが、同時に社長自身のプロモーションの色彩もあったわけです。ライブドアの社長としてのほりえもんであると同時に一人のビジネスマンとしてのほりえもんをアピールする場でもあったわけで、この場合、一般の人と同じ土俵で、同じ目線でコミュニケーションできたほうが得策だったりします。上に書いたようなリスクよりも、一般のブロガーとのつながりを重視する場合、一般的なブログサービスを使うことは決してマイナスではないということです。

こうしたブログのビジネス利用に関する詳細については前述の拙著「ブログ・ビジネス」を参考にしていただくとして、以後、事例を交えてその効果を述べてみたいと思います。

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この記事へのコメント
ウェブ里→ウェブサイト

ですよね?キット・・・
Posted by オイラ at 2006年11月17日 18:30
まさに!!

このコンテンツは一応ワードで書いてあるのですが、きちんと校正していません。まにあなポイント大量取得のチャンスかも知れませんよ!!!

と煽っておいて、みんなに修正してもらって、それから書籍化するとかね(笑)
Posted by buu* at 2006年11月17日 18:42
あとがきには付録としてまにあなポイント取得者一覧がつくとか・・・?

Posted by オイラ at 2006年11月17日 19:45