「広告偏重の洗脳型社会」というエントリーでテレビ局が絡んだつまらねー映画が興行収入を押し上げているということを書いたけれども、この映画はTBSの絡み。ということでいくら「大ヒット上映中」でもその品質を保証するものでないのは明らか。特にTBSは昨年日本沈没でかなりやらかしてくれている(しかしまぁ、あれだけ大ヒットしたのに日本アカデミー賞では何一つ受賞できなかったわけで、そりゃ当たり前だよな、という感じ)ので、そうとうにビクビクしながら映画館に行ったわけです。
結論から言うと、前半はクソだけど、真剣に魔物退治を始めたあたりからはなかなか面白い。ラオウを連想させる中井貴一演じるパパがなかなかに格好良く、存在感がある。しかし、それより何より妻夫木聡が良い。一方で柴咲コウは結局何をやっても柴咲コウにしかならないので、ただただうるさい印象。彼女にしても仲間由紀恵にしても、今日本のスクリーンやブラウン管で大活躍している女優というのはどうして演技に幅がないんだろうなぁ、という感じなのだが、看護婦をやろうが、どろろをやろうが、何をやってもやっぱり柴咲コウなのには残念というしかない。彼女が悪いんじゃなくて、彼女の使い方が悪いんだろうけど。で、前半、寺が焼けたあたりまではかなり退屈な感じで見所もなく、「あぁーあ、やっぱり日本沈没のTBS」という感じだったのだけれど、そこら辺からテンポがアップして、あとは眠くならなかった。
ストーリーは原作、テレビ版のどちらともやや異なるものになっていて、短時間で見せるためにうまく料理していると思った。前半をごっそりカットしちゃえばもっとすっきりしてもっと良くなったと思うけど、半分寝ながら見ていたので詳しくコメントすることはできない(^^;
ということで、柴咲コウのファンだったら全編楽しめると思うけれど、僕は柴咲コウよりも蒼井優の方が好みなので、映画の評価は☆1つ半。