大阪市住吉区の私立大阪学芸高校(近藤永校長、生徒数約1500人)が2006年度の大学入試で、成績が優秀だった1人の男子生徒に志望と関係のない学部・学科を多数受験させ、合格実績を事実上水増ししていたことがわかった。
関西の有名4私立大(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)の計73学部・学科に出願しすべて合格。受験料計約130万円は同校が全額負担していた。大学入試センター試験の結果だけを利用して合否を判定する入試制度を利用したもので、合格発表後、生徒側に激励金名目で5万円と、数万円相当の腕時計を贈っていた。文部科学省は事実関係を調査する方針。(以下略)
制度の穴というか、なんというか、なかなか賢い手段なのであって、新聞がこれを大々的に、かつ批判的なスタンスで報道するのが良くわからないのだけれど、私立高校がこういうことをするのには何か法的に問題なのだろうか。
問題だと思い、かつ現行法において法的に問題がないのであれば、法整備を急げば良いだけの話なので、どうでも良いというか、興味もないし、まぁ、勝手にやれば、ということなのだけれど、もしそこら辺がクリアになっていないのに今回の報道になっているのであれば、実名で報道されてしまった大阪学芸高校はちょっと可哀想な気もする。
その学生が試験当日に風邪をひいて受験できないとか、受験番号を間違ってマーキングするとか、そういったリスクも込みで100万円以上を投資しているわけで、そのビジネス感覚は大したものだと思う。
そもそも多かれ少なかれ、また程度の差こそあれ、私立の進学校なら似たようなこと(奨学金を出したり、本人にそれほど進学希望がないのに『練習』と称して志望校よりやや偏差値的に落ちる大学を受験させ、結果的にのべ合格数を増やしたり)はどこでもやっているはずで、それを大規模に展開したから「NG」というのはどうなのかな、と思う。
この手のことは法的に規制したり、自粛を求めたりするのは筋ではなく、逆に放ったらかしにして、やりたいようにやらせてしまい、そうした合格数データというものが全く意味のないものにしてしまった方が、長期的に見て社会のためになると思う。テレビの芸能人コメンテイターとか、眉間に皺を寄せて「これはけしからんですねぇ」とか言ってそうだけどね。
ま、どちらかというとこの話の問題点は、のべ合格数を増やしたという行動そのものよりも、行く気もないのに片っ端から受験した結果、そのあおりを受けて不合格になった学生がいるかもしれない、というところだと思うのだけれど、ボーダーライン付近では大学側も補欠を大量に出しているだろうから、それ程影響はないだろうね。でも、これをみんなが始めたら、大学も困るだろうなぁ(笑)。
そうそう、期待に応えてきちんと成績を残したこの学生は偉いね。
はっ、これって、もしかしてビジネスチャンス? 予備校のみなさん、受験料と給料(成功報酬可)を出してくれるなら、僕も受験してみますよ。なんなら、傭兵部隊を結成して臨みます。