2007年07月30日

こそこそやると怒られないのに、大規模にやると反感を買う事例

ちょっと前に「「73人合格」実は受験生1人、大阪の私立高が実績水増し」というネタを取り上げてみたけれど、要は「ちょっとなら黙認するけど大々的にやると叩きたい」ということなんだろう。

例えば僕は横浜にある私立高校の出身(デーモン小暮が先輩にいる桐蔭学園ですが)だけど、当時から理系の人間で東大、京大、阪大、東工大あたりを受ける人間ならまず間違いなく早慶理科大、ときどき上智を受けていたわけで、これらの国立大学に受かる人間ならまぁ8割方私立大学にも受かるわけです。だから、例えば東大に50人受かる学校なら、早慶理科大にはそれぞれ100人前後(場合によってはそれ以上)受かってしまうわけで、延べ人数で言えば国立大学と有名私立大学だけで500人以上、でも実質的には100人程度、みたいなことになっているわけですね。

なので、大阪学芸高校みたいな事例を見つけて「けしからん!」とか言って規制を始めてしまうと、困ってしまう進学校は山ほど出てきちゃうわけです。「お上やマスコミに目をつけられない程度にやっておけ」というのは一理あるのだけれど、これから少子化に向かう世の中において、私立中学、高校にとっては学生の数、質の確保は喫緊の課題であって、今回のようなケースとの線引きは非常に難しいわけですね。

でもまぁ、こういう事例と言うのは非常に重要で、じゃぁどうしたら良いのか、というのが知恵の絞りどころ。個人的に思うのは、「今までみたいなのは慣例的に許すけど、大阪学芸高校みたいなのはだめ」みたいな感覚的な判断は良くない、ということで、規制するなら完全に規制しろ(例えば延べ人数を書く場合には必ず同時に実質人数(その大学に行った人数)を記載するように義務付けるとか)と思うし、規制しないのであればこういう事例についてもガタガタ言うな、と思います。

なぁんてことを考えていたら、今度は食べログでこんな面白い事例が。まずは、麻布にあるこのお店の口コミレビューを見てほしいのだけれど、



今日の時点でサクラレビューが60を越えているわけです。食べログという料理レビューサイトのシステムの根幹に挑戦しているのが見て取れるわけですが、これ、本人達が店の評価をあげるためにやっているのか、あるいは嫌がらせで誰かがやっているのか、はたまた、2ちゃんねらーがお遊びでやっているのか、さっぱりわからないのですね。食べログ付属の掲示板を見ると、レビュアーの皆さんは「けしからん!」とご立腹のようなのですが、

機能改善要望コミュニティ「ヒドイぞ『麻布十番 風姿花伝』」

これなんかも「こそこそやると怒られないのに、大規模にやると反感を買う」事例の一つですよね。じゃぁ、他の店はやってないのか、って、確かめていませんが、そういう事例って結構あるんじゃないかと思います。でも、そんなの一々チェックしていられないですしね。

これとかはウェブ2.0の大きな弱点を逆手に取ったケースなわけですが、これもやっている方というよりは、そういう弱点を持ちつつサイト運営をせざるを得ない食べログ側に問題があるわけで、大阪学芸高校と良く似たケースだなぁ、と思う次第。

ところでこの食べログのケース、非常に残念なのは、どのレビューも他の店のレビューをしていないので、折角のレビューが有効投票につながっていないということ。これ、本気でやるなら、みんなで5件ぐらいのどうでも良いレビューを投稿して、レビューの評価を有効化しないと意味がない。そういう手段に出るとお店の評価がうなぎのぼりになって、ランキングにも影響が出てくる。そうなると、それはそれで面白くなるはずなのだけれど。

まぁ、何でも良いんですけどね(^^; 僕はウェブ情報なんてこういうものだって思っているので、あんまり腹も立たない。っていうか、面白いなー、と思ってみているわけですが。

なぁんて書いていたら、今度は選挙がらみでこんな話がゴーログに取り上げられていますね。

[ゴーログ] 公職選挙法:ブログを差別するな!

これは、日本という国の本質を突いていますね。要するに日本は、「お上の胸先三寸社会」なんです。法律なんて、お上のいいかげんで自由闊達な解釈次第なんですから、狙われたら終わりなんですね。


ふむふむ。まぁ、日本中、レベルの差、フィールドの差こそあれ、あちこちで同じようなことが起きていますなぁ。

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この記事へのコメント
受験の件は、嘘をついてるわけではないので「そういうこともあるよね」って感じですね。
規制するなら入学人数の表示か、学校ごとに何人受験したか(単純に合計したら「そんなに生徒いないだろ」と馬鹿でもわかる)のどちらかを義務付けるって感じでしょうか。

食べログの件は、有効投票になってないレビューは見せないようにするのと、レビュアーの質的評価を(たとえばレビュアー同士で)することで、あからさまなサクラレビューを排除できると思います。
といっても結局のところはいたちごっこなんですけどね。

この手のレビューサイトは、「自分が信頼できるor自分の好みに近い」レビュアーを見つけられるかどうかがサイトの使い勝手の分かれ目と思う今日この頃。
Posted by うらかわ at 2007年07月30日 17:02