先日経済編を書いたけれども、今度は情報編。
経済編はこちら
一年近く前に、「コミュニティの引きこもり化」というエントリーをアップしたのだが、今回はその延長線上にあるエントリー。なので、まだそちらを読んでいない人は、まずこちらをどうぞ。
インターネットというシステムはネットワーキングやコミュニケーションに威力を発揮する。これは誰もが疑わないところだと思うのだけれど、簡単であるがゆえの弱点を併せ持つ。つまりは、「楽なコミュニケーションだけに依存してしまう」ということである。
楽なコミュニケーションの代表として挙げられるのが、英語からの逃避である。
日本人にとって、「言語」の壁は非常に大きな壁である。世界中で英語の試験の比率がこれほど高く、また「英語が話せるだけ」の人間がこれほど重宝されてしまう社会も珍しいのではないか。英語圏の中学生ならわかりそうな問題を解かせて大学に入れてしまうというのだから「はぁ」という感じだし、英語の能力と言うのは生活環境に大きく影響されるので、格差の固定化みたいなものにも一役買っていると思う(要は、親が英語圏に転勤するような職種の場合、子供の英語力も自動的に高くなり、日本ではそれだけでいろいろな場面で優遇される)のだけれど、まぁそれはそれとして、とにかく日本人の英語に対するコンプレックスは非常に強い。なので、ちょっと英語にハードルを感じる人は、英語から逃げようとする(僕もそういう傾向はあるのだけれど)。
卑近なところで言えば、ファイナル・ファンタジーXIというネットワークゲームがあるのだが、このゲームでは基本的に戦闘を6人のパーティで行う。プレイヤーはそれぞれ魔法が得意だったり、格闘が得意だったり、色々な特技を持っていて、それらの特徴をバランスよく組み合わせてパーティを組む必要がある。誰とパーティを組むのかはみんなで話し合って決めるのだが、その際、「英語圏の人はゴメンナサイ」と外人を門前払いしている人が少なくない。言葉のハードルだけじゃなくて文化的なハードルも確かにあるのだけれど、「折角英語で会話する能力を高めるチャンスなのになぁ」などと思う。しかしまぁ、別に日本語だけでやっていてもゲーム自体は楽しめるので、別に目に見えて損をするわけではない。なので、楽なコミュニケーションに走るのも分からないではない。
以前、「ヤフオクの値上げにあたり」というエントリーでイーベイがヤフーに敗北したことについて書いたのだけれど、これも根っこは同じところにある。
とかく日本人は日本語を理解する人達だけでまとまりたがる。そして、そういうマインドに対しても、インターネットは便利なツールなのである。そういった仲間内での利用の最たるものがmixiに代表されるSNSだ。WEB 2.0という言葉に代表される現在のインタネット技術は、外部とのコミュニケーションに威力を発揮すると同時に、内部とのコミュニケーションにも威力を発揮する。このこと自体は決して悪いことではないのだが、どうもムラ意識とか、いじめ体質などの醸成に一役買っているように見えてならない。
気持ちが良いだけのコミュニケーション、日本語だけのコミュニケーションの行き先は、全世界的に進んでいるインターネットの行き先とは異なる。内向きのネットワークが強固なものになってくれば、それは自動的に異物を排除するネットワークになってくる。日本型インターネット、いわばInnernetの行き先は、情報鎖国だと思う。ただ、江戸時代と違うのは、個人レベルで長崎の出島になることができるという点だ。当然、そういう人には多くのチャンスが訪れると思う。