2008年03月14日

アルゼンチンババア

8440eb7d.jpgアルゼンチンババアを観てみた(もちろん、堀北が出ているから(笑))。

なんとも微妙な映画である。原作があるから、原作を読めばまた違った印象なんだろうけれど、映画を観るだけだとストーリーの良さは良くわからない。

まず、ストーリーの中核であるところのアルゼンチンババア。このキャラクターがイマイチ良くわからない。どうやら癒し系のキャラと言う設定のようだが、なぜ彼女が癒し系なのかわからない。猫を飼っているからだろうか。それとも自家製蜂蜜の魅力だろうか。ちょっと臭いみたいだけれど、普通に美人のおばあさんという感じで、それ以外には何もない。

続いて役所演じるお父さん。この人、妻が入院して大変だって言うときに失踪しちゃう。まさに今死ぬ、というときにタイミング良くいなくなるのが不思議。死ぬのがわかっていたのだろうか。また、どうしてアルゼンチンババアのところに行ったのかも良くわからない。その後全く連絡がなくなったというのに全然探している形跡がないし、あんなにすぐそばにいたのなら探さなくてもすぐに噂になりそうなものだ。

他にも、マッサージ師に惚れちゃうエピソードもなんだかとってつけたような感じだし、なんだかなぁ、という感じ。多分、どれもこれも本を読めばきちんと理解できるのだろうけれど、本を読んでいない人には伝わってこないんじゃないだろうか。少なくとも僕には伝わらない。

しかし、「全てをチャラに」とまではいかないまでも、堀北はなかなかに光っていたと思う。パンをこねているシーンはどれも味がある。他にもさまざまな場面で見せる感情表現はなかなかに見所で、芸達者振りをいかんなく発揮している。だから、堀北真希のプロモーションビデオだと思って観れば非常に満足度が高いと思う。もちろん、堀北ファン限定の楽しみ方ではあるのだけれど。

結局のところ、意味不明の意気地なしのオヤジが母の死に際に失踪してしまった娘が、交通事故など泣きっ面に蜂という目に遭いながら、町外れで蜂を飼っている女とのエピソードを通じて父親と和解する、みたいな感じの話なのだが、どうにも軽い。死と再生といえば僕の世代ならもちろん「ノルウェイの森」なのだが、多分吉本ばななの原作はそれよりも大分軽いんだろう。

ということで、評価は☆半分、と言いたい所だけれど、堀北が可愛いので☆1つ半おまけして☆2つ。ただし、堀北ファン以外には全くお勧めできないことはもちろんである。

アルゼンチンババア

この記事へのトラックバックURL