ノーカントリー
観なくちゃ、観なくちゃ、と思っていた本作、ようやく観て来ました。なんとも、微妙な映画でしたね。
狩りをしている最中に麻薬の取引現場の修羅場を発見、200万ドルをネコババしたおじさんの逃亡劇。
と、思わせつつ、実はちょっと違うというひねりのある本作。そのあたりがアカデミー賞なんですかね?うむむ。
とにかく、人がどんどん死ぬんですね。で、最初のうちはどんぱちどんぱち直接的な表現で見せるわけですが、それがだんだん省かれていく。「勝手に想像しろ」みたいな感じになってきて、後半の中ごろではそのノリで物語の主人公だと思っていた人までが死んじゃう。これはサイコみたい。えーーー、じゃぁ、これで終わり?って思ったら、そのあともいくつかエピソードがあるんですね。奥さんのエピソードはそれなりだし、シガーのエピソードもまぁそういう結末にしたくなるよね、みたいな感じなんだけれど、そこで終わりかと思いきや、まだ終わらない。なんだ、主人公は保安官かい、そういえば冒頭も保安官だったね、忘れていたよ、みたいな(笑)。
理不尽に殺されちゃったり、コインの裏表で生き死にが決まってしまったり、かと思えばいきなり交通事故にあっちゃったり、色々ありながらも「なんだかんだ言っても、人生ってお金で左右されちゃうよね」と言いつつ、でも最後は「天国でおとうちゃんが待っていてくれるさ」という映画、と言い切っちゃって良いのかな?いっか(笑)。
ラスト直前までの不気味さ、緊迫感が雲散霧消して、突然悟りを開かされちゃう。そのあたりの理不尽さももしかしたら米国の文化人受けするのかもしれません。僕は、もうちょっとストレート勝負な方が好きですけどね。
どうでも良いですが、音楽と色気が全くない映画でした(^^; 特に前者は深刻で、おにぎりを買って席に着いたのですが、音楽が全然なくて静かなので食べることが出来ませんでした(;_;)
評価は☆1つ半。
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第80回アカデミー賞で最多4部門受賞作品『ノーカントリー』。1980年代の殺伐としたアメリカが描かれている。重苦しい映画であるが傑作だと思う。
何とも重苦しいノーカントリー【オヤジの映画の見方】at 2008年05月04日 16:23
ところで奥さんは殺されなかったのですか?
ネコババおやじは誰に殺されたのでしょうか?
奥さんは殺されちゃったでしょう。部屋から出てきたとき、血がついてないか靴の裏をチェックしてましたよね。
ネコババオヤジはどっかのギャングに殺されたんじゃないですか?シガーが殺したんなら、いつもどおり通気口に隠したお金をちゃんと回収できるはずですが、お金は手に入れられなかったみたいですから、シガーじゃないんだと思います。
なるほど〜靴の裏をチェックしたという場面は見落としたかもしれません。
ネコババおやじの殺され方はストーリー上あまり重要視しなくても良かったんですね!
やはり主役はシガーですね。あのヘアースタイルがなんとも言えず不気味です。薬を調達するのに店先に停まっている車を爆発させるシーンには恐れ入りました。
>ネコババおやじの殺され方はストーリー上あまり重要視しなくても良かったんですね!
重視しないというよりも、そのあたりを観る側に想像して欲しいというのが製作サイド(監督)の意図なんだと思います。殺人のシーンが最初は詳細で直接的だったのに、だんだんとシーンが間接的になってきて、最後には何も描写していませんよね。でも、前半のシーンで観客にはそのシーンが刷り込まれているから、「観せなくてもわかるでしょう?イメージを膨らませてね」っていうことなんじゃないかと思います。
>車を爆発させるシーン
あんな方法で爆発しちゃうんですね(^^;