
世の中には駄目な映画が山ほどある。役者が下手だったり、監督がまずかったり、脚本が駄目だったり。そんな映画は日本沈没とか、ゲゲゲの鬼太郎とか、色々あって、そのたびに「これは駄目だ」とブログやらYahoo!ムービーやらでけなすのだけれど、この映画はそういう映画とはどうも微妙に異なる。
ひとことで言ってしまうと、「つまらない映画」である。
貧乏神、疫病神、死神が順番にとりつく、というストーリーや、死神が可愛い女の子、なんていう設定までは非常に興味をひくものだと思うのだけれど、そこでオシマイ。舞台を幕末にしたおかげで何もかもが中途半端になってしまったということなのだろうか。とにかく、ストーリーが進むにつれ、どんどん眠くなってくる。あれれ?こんな映画だったの?という感じ。ラストにいたって、「あぁ時間の無駄だった。ただのつまらない映画じゃないか」という感想になってしまった。
正直、どうしてこんなにつまらないのか、理由が良くわからないのだが、思い当たるところはひとつある。それは、この作品がコメディであるはずなのに、ほとんど全然笑えない、ということである。笑えないのだからコメディではないんじゃないかと思うのだが、おそらく、ほぼ間違いなく、製作サイドはこれをコメディだと思って作っていると推測される。なぜなら、「笑ってもらいたい」という意図は伝わってくるのだ。「ここで笑ってください!」という気持ちが伝わってくる。ところが、ネタがつまらなかったり、テンポが悪かったり、勢いがなかったり、とにかくへたくそな芸人の空回りする芸を延々と見させられている感じ。
ひとつ例を挙げれば、貧乏神が法力で苦しむ場面。いつ「なぁんちゃって。実は全然効いてませんよ」となるのかと思っていたら、本当に苦しんでいたらしい。オチにも何にもなっていないのが寂しい。
加えて、最後の現代の場面。あれは一体なんだったのか。「馬鹿の自己顕示に付き合っちゃったの?」と、自分の馬鹿さ加減に腹が立ってくる。
「すべりまくる映画」という感じかもしれない。何しろ、普通なら映画に対して腹が立つのだけれど、今回はこんな映画を借りてしまった自分に腹が立った。たとえツタヤの準新作半額クーポンを使ったとしても、である。評価は☆ゼロ。