ピーターラビットの作者、ビアトリクス・ポターの半生を描いた映画。どこまでが事実で、どこからがフィクションなのか、その境目が良くわからないのだけれど、両親を含めた家族の設定などは比較的忠実なようだ。
全てのストーリーが基本的に事実ということであれば、ストーリー展開があまりにも唐突だったりするところなども「事実は小説より奇なり」ということで目をつぶらざるを得ない。しかし、もうちょっと色々あってもいいんじゃないかなー、逆に、それならフィクションとして味付けしても良かったんじゃないかなー、というところもないではない。例えばウォーンがビアトリクスの絵に一目ぼれするところもちょっとあっけなさ過ぎるし(まぁ、アナキン・スカイウォーカーがダークサイドに寝返ったのもあっけなかったので、これはユアン・マクレガーが関連する映画の特徴なのかもしれない)、そのウォーンを襲った悲劇も「なぁんちゃって。実はお母様の陰謀でしたよ」っていつなるのかを楽しみにするほどあっけなかったし(まぁ、メイス・ウィンドゥがパルパティーンにやられちゃうところもあっけなかったので、これはユアン・マクレガーが関連する映画の特徴なのかもしれない)、ラストの落ちも随分あっけなかったし(まぁ、パドメがアナキンのことを好きになったくだりも・・・・以下自粛)、どれもこれも、すーーーーーーーっと抜けていってしまうようなあっけなさ。このアタリが逆にいいのかもしれないけれど、90分という短さを考えると、もう少し色々あってもいいんじゃないかなぁと思った。子供時代をカットインさせる方法は演劇っぽくてそれなりに効果を出していたと思うのだけれど、意味不明のカットイン部分があったような気もする。そのあたりも含め、もうちょっと効果的に出来たんじゃないかなぁと思う。そして、最大のポイントは主演のレニー・ゼルウィガー。彼女には彼女なりの良さがあると思うのだけれど、やはりもうちょっと良家の子女、才色兼備っぷりを一目でアピールできるような役者さんを使った方が良かった気がする。でもまぁ、最後の方のシーンではあの田舎娘っぽさがフィットしていたのかも知れず、このあたりは好みの問題かも知れない。
いや、だって、アミダラがレニー・ゼルウィガーだったら、それはどうかと思うでしょう?
ということで、一番言いたいことは、ユアンが出ているとついついスター・ウォーズを引き合いに出してしまい、レビューが良くわからなくなってしまうけどご容赦願います、と言うことかもしれない。
しかし、何不自由なく生活できる金持ちだったからこそ創出できたものというものがこの世には色々あって、それは例えば先日のコロー展(http://www.corot2008.jp/)なんかにも通じるところなんだけれど、「格差」「格差」と連呼している日本人には理解できないことなのかも知れず、あるいは格差を連呼していることと、こういう映画をそのまま肯定的に受け取ってしまうこととの整合性がついていないことに全く気がついていないお気楽っぷりなのかも知れないけれど、「良く観ろ、日本人」と思わないでもない。
評価は☆1つ半。