やはり、映画は映画館で観たいものだ。
と、それはそれとして、「どうせ下らないストーリーなんだろうな」と思いつつも、マトリックスシリーズ以降の映像表現がどういう風に進化したのかを観てみたくて、この映画を映画館で観てきた。
予想通り、ストーリーはかなり下らない。また、導入部分の主人公の駄目っぷりとかもダラダラと長くて、「あぁ、全編アクションにするにはちょっと予算が足りなかったのかな。役者にもそこそこお金がかかっちゃってるものねぇ」などと思ってしまった。まぁ、ヘタレっぷりを長々と表現することによって、同じような境遇の人たちに「変身」の夢だけを見させてあげようってことなのかもしれないし、そういう人たちの共感を得ようっていう狙いなのかも知れないけれど、別になくても良かったというか、ないほうが良かったと思う。あ、すいません、予算がなかったんですね、わかります。
しかし、映画の中盤からは大分テンポアップ。回復風呂という、ドラゴンボールで言えば仙豆みたいなものを設定することによって、バットマン・ビギンズとは随分違った戦闘力アップを可能にしたのが素晴らしい(って、これもサイヤ人の設定と良く似ているけれど(笑))。まぁ、ご都合主義といえばご都合主義だけれど、このあたりに突っ込み始めるとこの手の映画はなかなか肯定できないので、これはこれで良いんじゃないだろうか。
評価のポイントになってくるのは「どれだけ新しい映像表現があったのか」だけれど、そこそこあったと思う。まぁ、一番の原点はマトリックスでやられてしまっているから、二番煎じと言うか、その延長線上での「想定内」であることは間違いないのだけれど、それはやはりマトリックスが凄かったということで、それに続く映画はなかなか「マトリックスみたい」から脱することはできない。しかし、その想定内の範囲ではかなり頑張っていた方だと思う。米国映画お決まりのカーチェイスがそれほど長くなかったのも良かったと思う。カーチェイスが始まると、途端に「あぁ、またか」って思っちゃうんですよね(^^;
字幕は松浦美奈さんなので、スラングがてんこ盛りでも特に問題なし。
ということで、下らない映画だったけど、それなりに楽しめた。評価は☆1つ半。