#もちろん全文ではないですよ。個別具体的な部分も原文にはありますが、それらは全部削除してあります。
経営である以上「どうやって会社を運営していくのか」の部分が必要不可欠です。つまりは日銭を稼ぐ部分です。ベンチャーとして経営するなら日銭を稼ぐ部分と夢を語る部分の両輪が必要ですし、中小企業としてやっていくのなら日銭を稼ぐ部分が大部分となるわけですが、何しろ食べていかなくてはならないので、「どうやってコツコツと稼いで行くのか」が非常に重要になってきます。それと、会社の経営には「理念」が必要です。これは判断に迷ったときに立ち返る基本で、これがない会社は迷走して、危機に陥ったときにあっという間につぶれてしまいます。
会社の経営はギャンブルではありません。
中小企業の場合、まず重要なのは営業力です。きちんとしたビジネスプランがあった上で、求められてくるのがコレです。そして、大抵の起業家がつまずくのもコレです。ビジネスプランまでは極端な話誰でも作れるのですが、営業力は誰でもあるわけではありません。ここをクリアできるかどうかも考えてみてください。
僕は大手コンサル(三菱総研)出身ですが、コンサル会社の何が大変って、1に営業、2に人件費がかかるということです。また、2は、裏を返せば人件費でしか儲からないということです。もうちょっと噛み砕いて言うと、日本人で、人件費ベースで一番稼いでいるのがイチロー、松井です。ところが、こうやって能力と時間を切り売りしている人に対して、ものを大量生産して販売している人で、彼ら以上に儲けている人はたくさんいます。つまり、コンサルというのは爆発的に儲かるものではない、ということです。僕の場合、コンサル料は一時間2万円ですが、これで年間2000時間働いても、4000万円にしかなりません。わりと低いところに限界があるわけで、伸びしろの少ない商売と言えます。
ボランティア精神というのが日本では尊重されますが、それをやっていると責任の所在が不明確になりますし、また、「稼いで生活していく」という部分が見えてこなくなります。
起業に一番重要なのは「理念」です。これは何か迷ったときに立ち戻るべき基本になります。これがない会社はまず間違いなく失敗します。
「理念」は理想とか、夢に非常に近いものになってきます。ですから、ビジネスプランを考えるときは、まずここを考えるのが良いと思います。
「売れる」のと「良い」のは異なります。この点、ビジネスをやったことがない人はなかなか理解が出来ないのですが、良いものを出せば売れるというものではありません。そして、これをきちんと認識していないと、「良いものを作っているのになぜ売れないのだ」と行き詰ります。また、世の中というのはなかなか簡単には動きません。なので、「良いから売れるはず」とは考えないようにしてください。
食べていくためには稼がなくてはならないし、稼ぐということはキレイごとでは無理です。どちらかというと泥臭い作業ばかりになります。
ある程度考えがまとまったら、さっさと動いてしまっても良いかも知れません。思考実験だけしていても物事は進みませんから。ただ、闇雲に突っ込んで行ってもがけから落っこちるだけなので、計画は必要です。また、必要に応じて支援者、協力者も探しておく必要があります。