2009年04月17日

ブログのタイトル

考えてみれば随分と長いこと「WEB2.0(っていうんですか?)ITベンチャーの社長のブログ」というタイトルでやってきたけれど、昔は頻繁にタイトルを変えていたわけで(っていうか、本当のタイトルは「Return of the まにあな日記」なんだけれど)、急に変えてみたくなった。

このタイトルの由来はこちらのエントリー。

コラーゲン食って肌がぷりぷりになるわけねーだろ(笑)

先日、古くからの文系の友人と飲んだんだけれど、彼女はちょっと前にこの手のサプリを売る仕事をしていたらしい。で、僕が「サプリなんて気分の部分で左右されちゃう。ビタミンとか、アミノ酸、ペプチドとか、一部に本当に効く奴もあるけれど、コラーゲンなんて全然無駄だし」みたいなことを言ったら、「えーーーー、でも、ちゃんと勉強したんですよ」と言っていた。そりゃ、メーカーさんが都合の良いようにまとめた資料を読んだだけでしょう(笑)。サプリが効くか効かないか判断するひとつの基準は分子量。これがでかい奴はまず効かない。コラーゲンなんてもってのほか。そんなもんがすかすか体や皮膚から取り込まれちゃったら一大事だ。ということで、瞬間最大風速的なトピックスをタイトルにしてみた。

この記事へのトラックバックURL

この記事へのトラックバック
buu2さんのブログのタイトルが変わった. ブログのタイトル(「コラーゲン食って肌がぷりぷりになるわけねーだろ(笑)」社長のブログ) コラーゲン食って肌がぷりぷりになるわけねーだろ(笑)(「コラーゲン食って肌がぷりぷりになるわけねーだろ(笑)」社長のブログ) ...
【話題】「コラーゲン食って肌がぷりぷりになるわけねーだろ(笑)」【Science and Communication】at 2009年04月17日 04:53
この記事へのコメント
はじめまして。

コラーゲンの効果についてですが、↓の記事で紹介されている研究成果については如何お考えでしょうか?

「コラーゲンやはり美肌効果あり 京都府立大など機能の一端解明」
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009012400088&genre=G1&area=K00
Posted by wacking at 2009年04月17日 22:27
> コラーゲンの効果についてですが、↓の記事で紹介されている研究成果については如何お考えでしょうか?

この手の論文はペーパーから実際の機能解明や商業化にいたるまでには物凄くたくさんのハードルがあって、その途中でほとんど全てが「やっぱり意味なかった」ということになります。このペーパーの原文は見ていませんが、

「アミノ酸のヒドロキシプロリンとプロリンが結びついたペプチド(アミノ酸化合物)が血中に長時間にわたって増えることを突き止めた。」

これがまずどの程度のN数で実施され、どの程度の増加があり、どの程度の期間それが確かめられたのかについてきちんと精査してみたいところですね。また、コラーゲンというのは本当にどこにでもあるたんぱく質で、それをわざわざサプリメントとして摂取するだけの必要性があるのか、というのにも疑問が残ります。この手の食事に関連する実験はコントロールを取るのが非常に難しく、また、その結果についても疑問が残るケースがほとんどです。

それを良しとしても、血液の中の濃度が高いからと言ってその影響が出るとは限りません。人の体内においてコラーゲンというのは非常にありふれたたんぱく質で、その主要構成成分であるヒドロキシプロリンが欠乏状態になっているというのもなかなか考えにくいですし、また欠乏状態になっていたとして、血液中にあるヒドロキシプロリンを有効活用できるかどうかというのもさっぱりわかりません。

そもそも、ヒドロキシプロリンがペプチド状態でどんなに存在していようが、特殊なアミノ酸であるヒドロキシプロリンをそのままたんぱく質に合成するシステムをヒトは持っていないはずです(プロリンとしてたんぱく質に導入されたあとヒドロキシ化されるはず)。

つづく
Posted by buu* at 2009年04月18日 00:51
ちなみに、僕が「コラーゲンなんか飲んでも意味ない」というのは正確には「プロテインを飲んでいるのと同じ」「普通に食事しているのと同じ」という意味で、それらに対して「コラーゲン」が有意に美肌効果があるとは思えない、ということです。ヒドロキシプロリン欠乏症とでも言えるような状態を作り上げて比較すれば差が生じるかも知れませんが。

加えて、

「このペプチドの機能をマウスの皮膚細胞で調べたところ」

ネズミと人の間にもかなり距離があります。まぁ、人でも効果がある可能性はありますが。

さらに、「コラーゲンを作って傷を修復している皮膚の繊維芽細胞を傷の部分に呼び寄せるのを助けることが分かった。 」という機能についても、これが正しいかどうかもわからない上に、正しいとしてもそれが「肌がぷりぷりになる」ことに線形につながるのか、という問題があります。

このペーパー一枚で「コラーゲンを飲めば肌がぷりぷりになる」という結論に至るとは到底思えません。
Posted by buu* at 2009年04月18日 00:52
それで、このペーパーは「コラーゲンを飲むと肌がぷりぷりになる」ということを証明するために物凄く遠まわしな実験をやっているわけです。なぜ最初から「コラーゲンをマウスに与えたら、マウスの肌がぷりぷりになった」ということを証明しないのか、ということになります。

というか、そんなことしなくても、人間を使ってダブルブラインドでどの程度の差が生じるのか、実験してみれば良いと思うのですが。病院に50人ぐらい閉じ込めて、食事はきちんとバランス良く与えて、その上で片方のグループにコラーゲンを、もう片方のグループにはプロテインを与えて、20日ぐらい様子を見てみれば良いんじゃないかと。

ま、ヒトの場合、体内に存在するたんぱく質の約30%ぐらいがコラーゲンなわけで、本当にコラーゲンが足りなくて肌の調子が悪くなるなら、肌だけじゃなくて体中おかしくなってしまうし、また体内に大量に原料がある状態で、ちょこっとそれをサプリで補給したって意味がないし、またもし意味があるような欠乏状態だとしても、そのほとんどは肌以外のところにまわされてしまいます。結果として、全然効果はないと「僕は」思います。

ちなみにこれは大分前のレポートですが

http://www.nih.go.jp/eiken/chosa/ishimi.htm

このときと状態はあまり変わっていないと思います。
Posted by buu* at 2009年04月18日 01:04
はじめまして。

「ブログ運営しただけで儲かるわけねーだろ(笑)」

みたいな話でしょうか?

それでもコラーゲンのプラセボ効果よりは、なにかあるのかな・・・いやこの場合、その差は問題にならないか。

どっちも繁盛してるんだから。

アタマのいい人は、そういうのが上手いです。
Posted by nekuratendan at 2009年04月18日 06:13
> 「ブログ運営しただけで儲かるわけねーだろ(笑)」
>
> みたいな話でしょうか?

うーーん、似ているようでちょっと違うかなぁ。ブログを運営しただけでは儲からないけれど、ブログをうまく使えば儲けることは可能かもしれない。一方で、コラーゲンの場合は基本的に効果は期待できませんから。ま、コラーゲンだけじゃなくて、コエンザイムにしても、グルコサミンにしても、エイコサペンタエン酸にしても、ということなんですが。

健康食というのは化粧品とかと一緒でイメージ重視の部分があって、その看板をみんなが一所懸命作り上げているところがあります。本当に効くなら別に宣伝なんかしなくたって良いわけで、本当は効かないから広告に力を入れなくてはなりません。で、このイメージ看板って、馬鹿にできないんですよ。お金をジャブジャブ投入しているから、そんな雰囲気がきちんとできあがっちゃう。

コラーゲンなんて、トクホにすら(トクホだって、全然効かないと僕は思っていますが)なってないんじゃないかなぁ。EPAとかはトクホになっている例があったと思いますが。

本当に効くものは医薬品として利用されるわけです。血圧を下げる食品をいくら食べたって大して効かないけど、カルブロックとかオルメテックを飲めばきちんと血圧は下がります。じゃぁ、なぜ薬を飲まさないかって、それはそんなことをやっていると薬代が高くなりすぎて国が困るからです。なるべくなら保険の効かないところでガス抜きをしたいんですね。

そのあたりのことを消費者はもうちょっと知識として仕入れておく必要があります。
Posted by buu* at 2009年04月18日 10:23
丁寧なお返事ありがとうございました。

私もコラーゲンの美肌効果には否定的なんですが、この記事を見て、摂食により増加したペプチドがコラーゲン合成系の活性化を(多少なりとも)促す、というストーリーなら有り得るのかなと思ったのです(私もペーパーは未読ですが)。で、もしそうなら高齢の方などにはそれなりの効果はあるかもしれませんし、そうであれば「お肌ぷりぷり」も全くの間違いとは言い切れなくなるなあ、と。

そんな感じで考えてるところに「コラーゲン全否定」と読み取れるブログタイトルを目にしたので、ちょっとびっくりして質問させて頂いた次第でした。
まあ、少なくとも「コラーゲンを食べたら即お肌ぷりぷりに!」は有り得ない話でしょうから、問題無いんでしょうけど。でも、勇気あるなあ、と(笑)。

まあ、世間の認識を改めるには、このくらいはっきり言い切ってしまった方が良いのかもしれませんね。
Posted by wacking at 2009年04月18日 12:30
> まあ、世間の認識を改めるには、このくらいはっきり言い切ってしまった方が良いのかもしれませんね。

サイエンスと似非科学の中間が日本ではあいまいすぎるんです。だから、永久機関の記事が新聞で紹介されたりしちゃう。また、大学の先生が何か言うとそれだけで信じちゃう権威主義も問題。東大の先生だろうが京大の先生だろうが、変なのはいるわけで、大学の先生だからって全て言っていることが正しいというわけではないんです。

ということで、消費者といえども官僚が言っているからとか、大学の先生が言っているからとかではなく、きちんと自分で情報収集して、自分で判断しなくてはならない。ところが、日本人はそういうことが物凄く苦手なんです。で、僕はそういうのはそのまま放っておくのがスタンスだったんですが、「ちゃんと情報を教えてください」とか言われたので動いてみました。

次は「お前らの食っているものにはたくさん遺伝子組換え作物が入っているぞ」社長のブログかなぁ(笑)。遺伝子組換えがいやとか言ってキシリトールのガムを食ったりエコナ使って「低カロリー」とか喜んでるな、みたいな(笑)?
Posted by buu* at 2009年04月18日 16:02