2009年04月24日

井の中の蛙

昨日、ある人と2時間ほど飲んだのだけれど、なんだかなぁ、という感じの飲み会だった。いや、別にテーマが変とか、そういうのじゃないんだよな。その人のスタンスというか、生き方というか、そういうものに全く共感できなかったからなんだと思う。

その人はとにかく今の会社が大好き。それで、その会社を全面的に肯定しているんですね。で、もう会社のやることには間違いがないし、彼の説では景気が回復すれば彼の会社は間違いなく復活するらしい。

その会社は素晴らしい会社なのかもしれないし、まぁ、その会社がつぶれる可能性は確かにそれほどないだろうな、と思うのだけれど、何なんだろう、この違和感は。

僕みたいに大企業に嫌気がさして外に飛び出した人間とはそもそも水と油ってことなんだろうけれど、ねぇ。大企業って、全肯定できることってまずないと本能的に思ってしまうので、そのあたりからもう話が合わないんだろうなぁ。多分彼はその会社を辞めることもないだろうし、逆に言えば、もうその会社でしか通用しない体になっちゃっているんだと思う。だって、少なくともうちの会社では絶対に使い物にならないと思うもの。彼は自分の専門性に凄く自信を持っていて、実際、彼の会社では彼の能力を高く評価している様子なんだけれど、僕から見ると、彼の能力というのはその会社限定なんだよな。

ま、たとえは何でも良いんだけれど、たとえば三菱東京UFJ銀行で営業をやっている人がいて、そこでの営業力はピカイチだ、と。そういう場合、世の中は「あの人はどこに行っても営業をやらせればピカイチ」と評価しちゃうんだと思う。ところが、実際はそうではなくて、三菱の営業としてピカイチなだけ、みたいな。いや、これはあくまでもわかりやすくたとえてみただけですよ。もしかしたら三菱の営業はどこに行っても素晴らしいのかも知れない。

で、ジェネラルな意味での能力を持っている人と、ローカルな場所でしか役に立たない能力を持っている人がいて、僕が昨日飲んだ人は多分ばりばりに後者なんだと思う。で、そのあたりのことを本人も無意識のうちに自覚していて、だから会社にべったりなんだと思う。ま、それはそれで全然構わないし、その調子で頑張って欲しいんだけれど、あーーーー、この、話していてイライラする感じは一体何なんだろう、と、アルコールでちょっと麻痺した脳みそで考えてみたら、それは「井の中の蛙」という奴だった。僕は、仕事に何を求めるかとか以前に、生きていくにあたっては何がしかの「理念」とか、「大義」みたいなものが必要だと思っているのだけれど、その井の中の蛙氏からはそういったものが感じられなかった。もちろんそういう話をすれば彼の口からは彼なりの理念とかが聞けるのかもしれなかったのだけれど、「え???」とか言われちゃいそうで、聞くことすらやめた。まぁ、そういう人生でも、きっと本人は幸せなので、そのことについてとやかく言うのは野暮というもの。

で、飲み会の話のついでにちょっと今週前半の話。ところどころでスキーのワックスを開発している話を書いているけれど、その一環で、元五輪選手と新宿で打ち合わせをすることになった。「ちょっと、有名選手に試してもらいたいんですが」ということ。で、新宿の某所で一杯飲みながら、ということになった。僕は普通に時間通りに行ったら、すでに相手はそこのカウンターで飲んでいて、僕と目があうと、テーブル席に移ることにした。で、テーブルに移って、食事をカウンターから運んでいたりしていたら、彼の友達が二人お店に入ってきた。一人の人とは普通に名刺交換をしたんだけれど、もう一人の人は名刺を持っていないようで、僕の名刺だけを渡した。ただ、どういう経緯でその二人がこのテーブルにいるのかはさっぱりわからない(笑)。ま、いっかー、何なんだろうなー、と思いつつ雑談をしていたのだけれど、僕の斜め向かいに座ったなぞの人物は妙にしっかりした格好で、妙に声が良く、一体何者?と思っていたら、伊武雅刀さんだった(笑)。しかし、話の内容は「だんだんのお医者さんの役は専門用語がてんこ盛りで大変だったでしょう」とか、「ジェットストリーム、終わってしまいましたね。長い間お疲れ様でした」とか、「スネークマンショーはマジで画期的でしたよね」とか、「やっぱり、ガミラスに下品な男は不要ですよね」とか、そんな話には全くならず、テーブルとか、ブルーベリーの話をしていた。最近は滅多にないことなんだけれど、そのテーブルに座っている4人の中ではどう見ても僕が一番年下だったので、せっせとズブロッカのソーダ割りを作りながら過ごした不思議な2時間だった。

今週は日曜日からお酒を飲む日が続いていて、しかもその一つ一つがなかなか興味深い飲み会だった。

この記事へのトラックバックURL