三谷映画を外国人が作るとこんな感じになるんだろうなぁ、という映画。
ちょっとしたところに笑いが散りばめられていて、観ている最中に頻繁にくすくす笑ってしまう。ところが、今日映画館にいた人たちは全然笑ってない。こんなに面白いのになぁ、と思ったのだけれど、もしかして、このユーモアがわからないんだろうか(笑)。
もう、あほらしさ満載。下ネタも満載で、FUCKとかも連発していて、あまり上品な映画ではない。だから、上品な笑いを求めている人たちには全然ヒットしないかもしれない。それから、人がそこそこ死ぬ。これはコーエン兄弟らしい毒の部分だけれど、これもまた受け付けない人は受け付けないかも。
CIAの偉い人たちの投げやりっぷりが異常におかしいし、エンディングの曲も笑っちゃう。それ以上に、登場人物たちの人間関係の滅茶苦茶ぶりがまたおかしい。おいおい、そこまでこじれさせちゃうのかよ、というところはあまりにも出来すぎなのだけれど、それが不思議と違和感がない。
全体を通して言えるのは、したたかな女性たちと、その手のひらの上で遊ばされていると気が付かないアホな男性たちというのをブラックユーモアの中に描いているということ。このあたりの徹底具合がなかなか良い。
クルーニー親分も相変わらず良い味を出していた。ブラピも良い味を出している上に、役の上での顛末がまた笑える。
長めの結婚生活経験がない人にはこの面白さは理解不能かもしれない。そういう意味では大人のための映画。評価は☆2つ半。