2009年07月15日

ハゲタカ(ドラマ)

ハゲタカ DVD-BOX

ふう、最後まで見た。

テレビの看板番組のキャスターをやっていながら、「お前、その暇は一体どこにあるんだ」と突っ込みたくなるような神出鬼没っぷりを発揮し続けるお姉さんのドラマ。

ということはないのだけれど、それにしても暇がたくさんあってうらやましいお姉さんだった。ま、それは良いとして、このドラマ、5話後半からの急展開っぷりがすさまじく、それまで「この主人公がやっていることは全然普通だけれど、この人に感情移入できる日本人って一体どの程度いるんだろう」と思いつつ見ていたわけで、終わってみればちゃんと風呂敷が畳まれていたのがなかなかに見事。

でもまぁ、やっぱり、このドラマを主人公視点で楽しめる人間は今の日本にはものすごく少ないと思う。主人公がやっていることは実は最初から最後まで一緒なのだけれど、印象が違うのはスポットライトの当て方が大きく変わったからだと思う。だから、「最初は嫌いだったけれど、5話以降人が変わって良かった」という感想を持っている人がいたら勘違いなんじゃないかな。そもそも、人間の考え方なんか、そう簡単に変わるわけはないわけで。

大怪我をしてリハビリに苦労するところとか、経済原理の波に巻き込まれて無一文になってしまうところとか、最後まであきらめないところとか、個人的な経験と重なる部分がいくつかあって、それはそれで楽しめたのだけれど、それにしても普通の人は滅多に経験できないことで、「普通の人はこれをどうやって楽しむんだろう」と思わないでもない。でもまぁ、ターミネーターのような経験も、スターウォーズのような経験も、サウンド・オブ・ミュージックのような経験も、実際には経験したことがないわけで、実体験と照らし合わせる必要なんていうのはないんだろうな。だから、僕の場合はかなり特殊な楽しみ方をした人間なんだと思う。

2時間という映画の枠を取り払って6時間でたっぷり見せることができたのが良かったと思う。これを2時間、あるいは前後編の4時間程度に収めてしまおうとしたら、多分失敗していたはず。

それにしても、ホリエモンライクな松田君はちょっと笑えた。笑えたけれど、多分普通の人が見たら、世の中にあるITベンチャーやら、ファンドやら、その手の人たちは皆あんな感じに見えているんだろうなぁ、と思った。僕の知らない経営者達がどう考えているのかはもちろん知る由もないのだけれど、僕とか、僕の周りの経営者のほとんどは、「社長の価値は、どれだけの人間に仕事を与えることができたか(=雇用を作り出せたか)だ」と考えている。そのためにはもちろんお金も必要だけれど、お金が全てでもない。そんなことは皆わかっているんだよな。

音楽だけちょっと気に入らなかったので、評価は☆2つ半。さて、上映が終了しないうちに映画も観てこないとだなぁ。

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