2009年07月30日

まずは大阪まで行ってみよう

東京から大阪に行くときどうするか。

最初に考えるのは、「新幹線で行こう」ということ。

さて、この新幹線、運転しているのは多分JR東海の人。おそらく、小田急や東急の人は運転したことがない。

ここで、そのJR東海の運転手さんが、運転が下手だったとする(あくまでも仮定の話ですよ。すいません、JR東海の運転手さん)。「新幹線の運転手は、運転がへたくそだから、小田急の人に運転して欲しいなぁ」と思ったところで、おそらくJR東海の人は「小田急の人は駄目ですよ。だって、新幹線を運転したことがないじゃないですか」と言う筈。小田急の人は、「いや、私ならこれこれこんな風に運転するから、きっと今よりも上手に新幹線を運転して、安全に大阪までお連れしますよ」と言うかもしれない。

本当なら、大阪で何をするのかを考えるべき、大阪で何をするかが目的なのだけれど、そこへ行く手段が限られていて、しかもその手段の信頼性が低い場合には、こんなことを考えなくてはならなくなる。

今回の選挙は、こんな感じのものだろう。本来は大阪で何をやるのかが問題になるはず。でも、今回はそんなことは大きな問題じゃない。「運転したことがないから、できないんですよ。だから、今までどおり新幹線に乗りましょう」、すなわち、「政権を取ったことがない民主党が何を言ってるんですか。実際政権運営したことないでしょ?だから、自民党なんです」と言いつづけて来た自民党に対して、そろそろクエスチョンマークを投げつける時が来た、ということ。

ためしに新幹線という官僚主導の政治を任せてみたら、あっという間に脱線しちゃうかも知れない。でも、そのときに、飛行機を使ってみるのも言いし、車で行くのでも良い。何しろ、「大阪まで行ってみた」という経験を積ませなくちゃならない。そうしないと、いつまでたっても本来の「大阪で何をするか」、すなわち、政策やマニフェストによる選挙が実現しない。

まず、民主党に経験を積ませる。それがこれからの日本にとっての地盤整備の期間。本当の改革は、そのあとにやってくるはず。

新聞はマニフェストによる選挙とか言ってるけれど、全然違うんじゃないか。日本の国内には、「自民党ばかりが政権担当者としての既得権を振りかざす選挙にはうんざり」というコンセンサスが形成されつつあるんだと思う。マニフェストがどうでも良いとは言わないけれど、常識的なマニフェストさえ存在すれば、重要なのはその内容ではなく、一度民主党が政権を取ることだ、と。

だから、今回の選挙は、自民党は何をやっても負けると思う。それでね、そのあとどうなるのか。民主党の言っていることは、幸福実現党ほどではないにしても、やっぱり現実味がない。そもそも、岡田、前原と管、鳩山では全然主義主張が違うんだから、内容が玉虫色になってしまうのは当たり前だ。それで、次の政権はどうなるのかって、やっぱり短命に終わるだろう。そして、本当の改革はそこから始まるはず。本当の意味での政界再編が、ようやくスタートするんだと思う。

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