
ストーリーの中心は悪魔と、悪魔と賭けを続けて1000年以上を生きているパルナサス博士の二人。悪魔はパルナサスに時々勝負を持ちかけ、それを楽しんでいる。パルナサスは悪魔に弄ばれていると理解しながらも、勝負を辞めることができない。そんな縦軸に、パルナサスの娘、パートナーの小人などが絡んでくる。
パルナサス一行は旅を続ける見世物小屋をやっているのだけれど、その見世物小屋には「入った人間の頭の中を具体化することのできる鏡」がある。この鏡の中の世界でのやり取りが見せ場の一つ。想像の世界なので、入った人間によってがらりと内容が変化する。この見せ方がなんといっても素晴らしい。そういう、視覚的な刺激に加えて、ストーリーがまた素晴らしい。悪魔と契約をした人間の話というのはそれほど新しくないのだけれど、その1000年にわたるやり取りの、最後の部分だけを切り取ってきて、そしてそれをきちんとした物語にしている。大人のためのおとぎ話みたいな感じに仕上がっていたと思う。なんか、想像力を目一杯使ったっていうのがわかる一方で、「アバター」で見せたようなリアリティのある空想空間ではないところが良い。
リリー・コールが可愛いのも良い。
エンドロールが終わった後のお楽しみも良かった。音響が良い映画館のど真ん中で観ていたので、一瞬「KYな奴」とか思ったけれど、すぐに演出の一部だとわかった(笑)。この演出については映画のサポートサイトに説明があった。
He said, "I have a lot of people try to call the sound of a phone Tony Heath. Unfortunately, he does not seem to pick up yet. One blogger / reviewer is his have tears in my eyes. Of course, he got it. "
しかし、それを含めて、これはDVDではなく、映画館で楽しむべきもの。もっと早く観にいけば良かった。まだもう少し上映しているみたいなので、もう一度観に行ってこようと思う。
誰が観ても満足、みたいな、例えばアバターみたいな映画とは違うので、世の中的にはあまり評価は高くないのかも知れない。あるいは、広告の予算が全然なかったのかも知れない。とにかく、あまり評判になっている感じがない。でも、これは傑作だと思う。☆3つ。