
どうせツマンないんだろうな、と思っていたのだが、結構バカにできないというか、まぁ、わりと普通な感じのストーリー。ちょっと村上春樹テーストな感じがあって、映像的にも遊びがあって、「へぇ」という感じ。そしてもちろん堀北真希は可愛かった。あと、思ったよりも堀北の英語の発音がしっかりしていた。音楽もまぁまぁ。
で、褒めるのはここまで(笑)。なんか、「ちょっとそれはないんじゃないかなぁ」という部分も多々ある。
まず一番いただけないのが、メインの男優のひとりが大根だということ。外国人監督ということで、彼のセリフ棒読みというか、舌っ足らずというか、演技にもなっていないところがわからないのかもしれない。折角松ケンがメンタル的に弱い奴を好演していたのに、ありゃりゃりゃりゃ、という感じ。堀北だけで☆が二つ増えるんだけれど、彼のおかげで☆が二つ減る。あのヘタクソはジャニーズか何かですかね?良く知らないんですが。
階段で落ちたっていっても、どういう落ち方をしたらおでこのあの場所を怪我するのか謎だし、おでこだけ怪我するというのも違和感ありまくり。
それから、なんか、日本の地理とか、環境とかを全く無視した構成もどうなのか。「そんな電車で長野には行けねぇよ」とか、「自由が丘にそんなところ、あるか?」とか、「横浜から大島に行くなら大さん橋から大型船だろうに、そこはみなとみらいで乗っているのはシーバスのように見えるぞ?」とか、なんか、色々と突っ込みたくなる。
それと、ブルーシート撮影なのか、わざとブルーシートっぽく見せているのか(もしわざとなら意図不明だけれど)、車に乗っているシーンとか、バイクに乗っているシーンとか、野外のシーンの一部とかが違和感ありまくり。特に米国の海岸のシーンって、なんか、松ケンの日の当たり方がおかしくない?本当に現地でロケやったのかなぁ?景色だけ撮影してきて合成したとか?そんな風に見える。船のシーンも、風とかありそうなのにナオミもパパも髪の毛ひとつ乱れないのは今世紀最大の謎という感じ。あと、雪のシーン。雪の上に寝転ぶシーンはどうにもホンモノの雪っぽく見えないんだけれど、あれは本当に雪なのかな?もし仮にホンモノだとしても、東京であんな粉雪は積もらないでしょう(笑)?あと、夜の降雪シーンも、道路とかが全然雪っぽくないのに、何故か画面に雪が舞っている。って、合成ですか?これは。別に合成でも良いんだけれど、もうちょっと違和感ないように合成してくれないと、映画に集中できなくなっちゃう。土砂降りの中のシーンでもびしょ濡れの役者もいれば全然平気な役者もいて、それ以前に車で送ってもらっている癖に「乗っていきなよ」って、お前の車じゃねぇぞ、おい、みたいな(笑)。
ドコモのCMに出ているから仕方ないといえば仕方ないけれど、これでもかってくらいにドコモの携帯が出てくるのも嫌味。あー、いきなり米国に行ってもすぐに使えるっていうのをアピールしたいのかぁ、確かにauのシステムは馬鹿すぎてドコモに乗り換えたくなるけれどね。あと、堀北真希のテニスシーン。なんか、結構上手っぽい設定だったけれど、ボールが写っていなくても超下手なのがわかってしまう(笑)。堀北真希はバスケをやっていたはずだけれど、テニスは経験がないのかなぁ。何しろスイングスピードとか、方向とかが滅茶苦茶。
「そろそろラストかな?」と思ってチラッと時計を見たらまだ80分しか経ってなかった。長いー(笑)。
あと、教室で柔道していてしこたま頭を床に叩きつけて記憶喪失を経験したことがあるから言うけれど、外傷性の記憶喪失はあんな感じにならないと思う。何かのきっかけとかじゃなくて、寝ておきたらとか、そういうタイミングで回復していくと思う。って、これは個人差があるのかも知れないけれど。
何しろ、堀北真希が演じている女性がイマイチ魅力的じゃない。最初に「村上春樹テースト」って書いたけれど、実際は竹内まりあの「けんかをやめて」の色彩が濃い。お前が変なことするからみんな迷惑してんだよ、みたいな。バブルの頃だと竹内まりあ的な感じのところ、現代版にするとこんな感じ、みたいな。あと、フリッパーズ・ギターとかの雰囲気もあったりするんだけれど、それはデトロイト・メタル・シティのセルフパロディ?いや、監督はDMCなんか知らないか。何しろ、ストレートに言っちゃうと物凄く時代遅れ(20年程度?)な感じの映画である。
そういえば、「誰かが私にキスをした」なんていう思わせぶりなタイトルだけれど、誰がキスしたのかは謎でもなんでもないし、別にポイントにもなってない。っていうか、君はみんなとキスしてんじゃん(笑)。
あ、それで、なんで舞台がアメリカンスクール?全然必然性がないんですが(汗)。
堀北真希は可愛かったし、松ケンはカッコ良かった。でも、映画としては、うーーーーーーん、さすがにこれに☆をたくさんつけることはできないなぁ。いくら堀北と松ケンが好きでも。ということで、評価は☆1つ。
追記:真正面から批判していたら、いつも面白く評論する「俺の邪悪なメモ」さんが今回も面白く評論していたので紹介しておきます。
堀北真希の美少女力炸裂!異次元の映画『誰かが私にキスをした』