2010年04月05日

ネットがステルス広告やサクラで満開の今がチャンスか

ブログのステルス広告、食べログのサクラレビュー、Twitterのステルス広告と、ネット情報が隠れた広告でグチャグチャになっているわけだけれど、最近気がついたのはYahoo!映画のレビュー。僕は自分のブログに載せているのと同時にYahoo!映画にもレビューを掲載している。あちらは映画専門のサイトだから、僕の発信する映画情報「だけ」を読みたければ、あちらをどうぞ、という主旨だ。

この手の情報の集約は以前食べログでもやっていたのだけれど、あちらは価格コムという会社が駄目会社だったために撤退した。価格コムは映画のサイトもやっているけれど、母体が駄目会社だとわかっているので、手を出していない。

それで、Yahoo!映画なんだけれど、普段はブログに書いた内容を多少削って(あちらは一応自動検閲装置がついているし、関係者からのクレームで記事を削除されたりもするので、表現にはブログよりもデリケートになる必要がある)転載してオシマイ。ただ、先日はちょっと他人のレビューに興味があって、「誰かが私にキスをした」のレビューをざっと読んでみた。そこで気がついたことは先日記事にしたんだけれど、

Yahoo!映画の「誰かが私にキスをした」のレビュアーが著しく不自然な件

後日、さらにふらふらしていたらYahoo!映画の常連さんの川崎オスカーさん(レビュー数508本)が書いていた誰キスのレビュー

yahooレビューでは満点レビューだけが浮いている“例”のパターン(笑)。


とあって、あぁ、今回のようなことはYahoo!映画では良くあることなのか、と腑に落ちたところ。それで今度は「ソラニン」のレビューを見てみたんだけれど、こちらはこちらでなんとなく妙な雰囲気。面倒なので全部調べたわけじゃないけれど、☆1つと☆5つのレビューの「単発レビュアー」が山ほどいるのだ。誰キスでは足を引っ張っているケースはほとんど見つからなかったんだけれど、こちらは結構足を引っ張っている。これが組織的なものなのか、そうじゃないのか、そのあたりはわからないんだけれど。

それで、今、結果としてどうなっているのか。両方の映画を比較してみる。

ソラニン
レビュー数162件
評価3.18点

誰かが私にキスをした
レビュー数163件
評価3.27点

いや、これはない。と思う。映画の評価というのも多分に主観的で趣味によって相当に分かれてしまうものだけれど、僕が評価すれば、この二つの映画は雲泥の差。ソラニンに比較して誰キスが優っているところは、頑張って探しても写真の撮影場面での表現手法と主演女優の個体としての可愛さ(個体としての、というのは単に素材としての話。可愛く撮られている、という面では完全にソラニンの方が上)ぐらい。じゃぁ、なぜ得点でソラニンが負けているかって、ソラニンの3.18という評価が低いのではなく(個人的にはもうちょっと高くても良いと思うけれど)、誰キスの3.27という評価が高すぎるのだ。でも、それは当たり前といえば当たり前。だって、160件程度のレビューのうち、40件以上が恐らくはサクラレビューなのだ。

ただ、サクラレビュー疑惑は誰キスだけではない。ソラニンについても同じようなレビューは散見される。要は濃度の問題である。サクラレビューによる汚染度と言えばしっくりくるかも知れない。汚染度の高い誰キスが汚染度の低いソラニンの上に行っている、という状態である。

ブログやTwitterなどのソーシャルメディアにおけるステルス広告と、食べログやYahoo!映画などに見られるサクラレビューは、その根絶が非常に難しい。ただ、根絶は難しいが、かなりの程度までその影響を軽減することはできるはずだ。その手法は、主観的なものよりも、客観的なもの、つまりは機械的にネグレクトできるような仕組みが好ましい。なぜなら、主観的な操作によって削除されたサクラレビュー側から、「これはサクラではない」と反論されたとき、再反論が難しいからだ。機械的なら、「そうかも知れませんが、機械が一定の基準で削除したので仕方ありません」と返答できる。ただ、仕組みとしては、そもそも「これはサクラ」などと指摘する必要すらなく、単に総合評価に対して影響がでなければ良いだけのことである。

食べログの場合、サクラレビューの他に、お金目当てで無駄レビュー、コピペレビューを連発するというのがあった。このあたりへの対応も必要になってくる。また、Yahoo!映画などをみれば、情報操作は組織的に行われている(しかも、多くの映画に最近はYahoo!自体が関わっているので、Yahoo!がそういう組織的な情報操作に対して故意に目をつぶっているふしがある)可能性が非常に高い。そういった、組織的な活動に対しても何らかの対抗措置が必要になってくる。

この手の作業というのはどうしてもイタチごっこになるのだけれど、何しろ食べログが駄目、Yahoo!映画が駄目、という現状は僕たちのような小さな会社にとっては大きなチャンスでもある。食べログにしても、Yahoo!映画にしても、小さくない弱点は明確になりつつあって、しかも彼らはそのビジネスモデル上の問題から、それを克服できない。

さて、どうするか。どこかと組むか、自分でやるか。