BOOKSCAN 低価格・書籍スキャン代行サービス
これ、凄いよね。「自炊(本の内容のPDF化)を代行します!」というもの。
確かにキンドルとか使っている人なら、「もー、日本語の本を一々PDF化するのメンドクセーんだよ!」ってことになるだろうし、自分でやっていたらそれなりに機材も必要だし、「誰か代わりにやってくれよ」と思うのも無理がない。で、それを一冊100円でやってくれるっていうなら、これはすげぇ。
#いや、そんなら最初からPDF版を100円マシで売れっていう話なんだが(笑)。
ま、それはそれとして、これって、著作権法上は多分違法だよね。
ところが、この会社のサイトのトピックに「小飼 弾氏のブックスキャン代行サービスは合法だよね?で紹介されました。」っていうのが書いてあって、え?そうなの?と思ってリンク先をチェック。
404 Blog Not Found「ブックスキャン代行サービスは合法だよね?」
直感的に言って「これはない」って感じなんだけれど、素人の感覚はあてにならないので、以前勉強した「著作権法」をひっぱり出してきました。

しかし、この本は必携だな。電子化したい。閑話休題。
えっと、210ページ〜に複製権(21条)についての解説があるんだけれど、
複製とは「印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製すること」と定義
再製とは基本的には同一のものを作ることであるが、完全に同一である必要はなく、また同じ表現形式である必要もない。即ち実質的に同一であればよく、現作品に創作的付加がなされていなければ再製となる。例えば暗文(暗号化された文)を平文(通常の文)に直した場合、即興曲を採譜した場合、講演を原稿に起こした場合、ソースプログラムを機械的にオブジェクトプログラムに変換した場合等も複製になる。
複製概念を確立した最判昭53・9・7(ワン・ナイト・イン・トーキョー事件)(判時906号38頁)では、「著作物の複製とは、既存の著作物に依拠し、その内容及び形式を覚知させるに足りるものを再製することをいう」と述べられている。
などなどを考慮すると、やっぱりこの会社がやろうとしていることは現行法上はアウトだと思う。
小飼さんは
複製というのは原本がそのまま無傷で残るからこそ複製なのであって、裁断された紙の束を「元どおりの本である」ということにこそ無理がある。
と主張しているけれど、この「無傷で残るからこそ複製」というのがかなり我田引水色の濃い勝手解釈であって、もうちょっと勉強した方が良いんじゃないかと思う。もちろん、その解釈が通るなら確かに合法だろうけれど、多分通らない。だってさ、例えばCDを買ってきて、それをHDに落として、CDは捨てました、って言っても、それはやっぱり複製だよね。捨てたからオッケーとか、裁断したからオッケーとか、要は元の形をとどめるから○とか、×とか、そういう話じゃないものなぁ。元の形をとどめているかどうかが判断基準になるなら、それをどうやって確認するんだよ、ということになるし。
確かにこのサービスが合法なら僕も使いたいと思うけれど、残念ながら無理筋って感じ。
しかし、それにしても安いよね。一括して中国に送って作業させるっていうなら話はわかるんだけれど、日本でこのサービスが成立するってどういうことなんだろう?電子アーカイブを整備しようとしている大きな団体がバックにいたりして。