パーマネント野ばら

高知の寂れた漁村の美容院を舞台にした田舎映画。たくましいおばさん、お姉さんと、駄目なおじさんばかりが出てくるのだけれど、そのたくましい女性達が生き生きと描かれていてなかなか良かった。あちらこちらに乾いた笑い、黒い笑いを配置してある。あーーー、ここって、笑っちゃって良い所?本当は泣かせる場面だよね?でも、オカシイよね?あはは、みたいな状況が何度かあった。一方、出てくる男、出てくる男、どいつもこいつもDV男だったり、ギャンブル狂だったり、甲斐性なしだったり、浮気性だったり、公共物破壊魔だったりと、本当にどうしようもない。そんな中、二人の普通のカップルを中心にして物語が進んでいく。あーー、「百万円と苦虫女」みたいな感じで、すーーーーーっと終わるのかな、と思ったら、さにあらず。
ただ、その最後の展開がどうなんだろう。ついこの間の「●●●●●」と同じような構造になっていて、おかげで「ありゃりゃ」という感じになってしまった。
でも、ラストは、西川美和監督みたいな余韻のある、良い終わり方だったと思う。
菅野美穂の魅力による部分も大きかったとは思うけれど、ほぼ観るべき所がなかった「20世紀少年」でもただ一人気を吐いていた小池栄子が、この映画でも非常に良い味を出していたと思う。おっぱいが大きいだけのお姉さんではない。年末の助演女優賞は結構取っちゃいそう。ただ、あれは警察沙汰だろう(^^;
同じような田舎を描いた映画、「RAILWAYS」よりはこっちの方が全然面白いと思う。でも、上映館はRAILWAYSの方が多いのかなぁ。「どっちを観ようか」と迷うなら断然こちらをお薦め。
さて、以下は超ネタバレ。これを読んだら後悔するレベルなので、映画を観る予定の人は読んじゃダメ。
先に評価だけ書いておくと☆2つ半。
ということで、あとは追記にネタバレ。
いや、本編ではネタバレにならないように伏字で書いたけれど、似たような構造の映画というのは「今度は愛妻家」のこと。原作モノのようなので真似をしたわけではないと思うし、場合によっては今度は愛妻家の方が真似っ子なのかも知れないけれど、そこはやっぱ、先に公開した方が勝ち。だから、この映画は負け。残念だけれど、それで☆が半分減ってしまった。
子供によって再生に向かう菅野の表情が良かった。でもまぁ、これも「ディア・ドクター」とかと一緒と言えば一緒なんだけれど。
Posted by buu2 at 02:44│
Comments(3)
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映画2010│
今度は愛妻家は観ていませんが、パーマネント野ばらはあのオチそのものがクライマックスではないと思いますよ。
男に翻弄された母がなおこの元に戻ってきた。
過去に何かの傷を負い狂ってしまったなおこを癒してきた空想の彼氏。なおこもそのカシマを忘れない=死なせないように生きている。
そんななおこを迎えにいくももちゃん。
おっしゃる通り、ラストシーンのなおこの笑顔は戻ってきた瞬間なんだと思います。
「パーマネント野ばら」を見て、明日「今度は愛妻家」を見る予定だった者です。ネタバレしてくれて有難うございます…。
> 「パーマネント野ばら」を見て、明日「今度は愛妻家」を見る予定だった者です。ネタバレしてくれて有難うございます…。
どういたしまして。