もともとの絵本は英語版しか読んだことがないのだけれど、凄く短い話。それを2時間近くの映画にしちゃうって、どうやるんだろうと思って興味津々だったんだけれど、あぁ、そういうことか、という感じ。主人公の男の子がおかれている状況と、友達になったかいじゅうの一匹との状況を重ねあわせ、そのかいじゅうとのやり取りを通して男の子がちょっとだけ成長する、というストーリーに仕上げていた。要は、登場するキャラクター全ての精神年齢を主人公やそのちょっと上に揃えて、主人公に自分の姿を客観的に見させる、という構造にしたわけだが、ありきたりと言えばありきたり。
この映画、ターゲットはどのあたりなんだろう。毛むくじゃらのかいじゅうがたくさん出てくるあたりでは子供向けな感じだけれど、そこで展開される話は決して子供向きではない。じゃぁ、大人向きかといえば、そんなこともない。まず、ストーリーに抑揚がない。製作サイドもそのあたりに自覚があるのか、盛り上げたり、感情を左右させるのは音楽ばかり。音楽を聴いているだけでこちらがどう感じれば良いのかがわかってしまうので、逆に興ざめする。つまりは、演出が単純なのだ。かいじゅうたちにも特に思い入れが生じるわけでもない。だから、眠くなる。
それに、原作はちょっと遊びに出かけて、疲れたから帰る、というストーリーだったから良かったけれど、映画では色々とかいじゅうたちを性格付けして、色々なイベントを起こしたのに、原作よろしく、それらはほとんど全部放ったらかしで帰っていってしまう。これはちょっと無責任な感じだ。
いや、言いたいことはわかるのだけれど、2時間の映画に引き伸ばすほどのものではなく、例えばPIXARの冒頭のショートムービーみたいなのにフィットする内容。これで通常料金を取っちゃうのは厳しいんじゃないかなぁ。
ぬいぐるみが好きとか、そういう子どもには良いかも。でも、明るい映画じゃないし、ワクワクドキドキするわけでもない。だから子どもにはあんまり勧められない。一方で大人の鑑賞にも耐えないと思う。誰が観るんだ!って、誰も観なくて良いかも。この絵本のファンだけどうぞ。