2011年03月01日

2011年2月21日送信のメールから

夏目さん(仮名)への私信から抜粋(一部加筆修正)

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この「考えること」が重要で、かつ難しいと思っています。コミュニケーションなんて簡単なんですよ。良くわかりませんが、「サイエンス・コミュニケーション」とか、考えることをしない奴らの逃げ道として一般化してきたものなんじゃないかなぁと感じています。そんなもの、いちいち旗を振らなくたって、やりたい奴が勝手にやるんだし、研究者が自らやる必要があるのかなぁ、とも思います。だって、「親と子のゲノム教室」を書いた僕の最終学歴は修士修了ですからねぇ。

ま、ある場面ではトリガーとして異業種交流みたいなのが刺激になったりもしますから、それ自体を否定はしませんが、Aさんをはじめ、コミュニケーションが大好きなクラスターはトリガーを引くことに一所懸命で、トリガーをコレクションして満足している気配があります。Aさんの場合はトリガーコレクションで満足はしているわけではありませんが、次のプランが見つからないから不安になっているわけです。引き金を引いたって、弾がどこに行ったのか、全然わからないから。

例えば川越の映画館に行って、そこで何かを見て、川越の町を歩いてみる。このことによって、情報は色々と入ってくるわけです。そのあと、家に帰るまでの電車の中でiPhoneを取り出してツイッターをやるか、今日見てきたことについて考えてみるのかで、人間としてのランクはそこそこに変わるはずです。そして、そういう日常の積み重ねのあるなしが、最終的には物凄く大きな差になると思います。夏目さんのような立場では、僕達のように自由には時間が取れないでしょうからそういう作業は意識的にやらないとですが、幸いにして今の日本はそういう時間が全く取れないほどには貧乏ではありません。ただ、多くの人がそれを無駄に使っていますけれど。

バブルの時、町のインフラは凄く充実したんです。今でも、都庁とか、アクアラインとか、ちゃんと残っているし、これが財産なのは間違いない。でも、逆に言えばこういう都市インフラばかりが充実して、豊かさを無駄遣いしてしまいました。バブルがはじけて日本には余っているお金がなくなったわけですが、今はコミュニケーションの洪水になっています。そして、その中で、今度は個人がコミュニケーションに溺れて「時間」を浪費しているんです。

今月末に出る予定の本の主題もこれです。「ネットや携帯でコミュニケーションが簡単になった今、私たちは何をすべきか」というものです。これまでブログで散発的に書いてきたことに大幅に加筆修正した内容になっています。
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2011/3/1 21:24追記
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