コミックサイエンス撲滅委員会の活動を起点にして色々と準備をしていた「株式会社シナプス」なんですが、地震のおかげで僕の本業が危機的な状態です。今のところ、僕が自分で推進することはできない感じです。とりあえず、フェイスブックで現状の企画書をオープンにしますので、ご意見いただければと思います。賛同してくれそうな人、協力してくれそうな人を紹介していただけるのも歓迎します。お気軽にお声がけください。いきなりブログに載せちゃうか、とも思いましたが、折角フェイスブックがあるので、まずはここから、ということで。
#もちろん、僕もお手伝いは可能です。メインになって旗を振るのは困難かな、と。ピンチはチャンス。頑張ってみる手もあるのかな。でも、大勢の協力は間違いなく必要です。一人じゃとても無理。
株式会社シナプス(仮称)企画書 (たたき台)
1 基本理念
1.科学者から支持され、支援され、そして目標とされること
2.科学者による、生活者のための会社
3.組織(国家を含む)からの独立性を維持
4.株式会社として成功を収め、納税という形で社会貢献を果たす
2 業務内容
1.サイエンス・チェック
巷にあふれる「科学のようなもの」を、科学者の集合知で評価する。
2.サイエンス・コメント
ウェブ技術を利用し、最新の科学を研究者自身の声で生活者に伝える。
3.サイエンス・レポート
企業向けのミニ・レターを作成、販売する。シンクタンク機能の一種。
4.サイエンティスト・スタンダード
博士課程に進む人間が身につけているべき能力を提示するとともに、第三者機関として個人を審査する。
2−1 サイエンス・チェック
(1)評価者
評価者は博士号取得者(無条件)、あるいは博士号取得者から一定数の推薦を受けた者。評価投票は義務ではなく自由意志。
(2)評価対象
基本的に何でも可。技術の信ぴょう性の他に、論文の価値、技術の実現予想(実現時期なども含む)なども評価対象。当面は評価委員会で選択。
具体例:
血液型占いはあてになるのか
核融合はいつごろ実用化するのか
避難地域は汚染状況が何シーベルトとすべきか
(3)評価形式
(ア)評価対象は生活者から提案
(イ)各テーマについて、賛成、反対に関する客観的レポートを募集
(ウ)同時に、それらについてのわかりやすい一般向けレポートを募集
(エ)非公表
(オ)非公表
(カ)非公表
(キ)定期的に、研究者・生活者別に無記名アンケートを実施、公表
(4)アウトプット
(ア)投票結果によって対象技術をランク付け
(信用できる、ほぼ信用できない、ほぼ信用できない、信用できない)
(イ)生活者向けレポートは優秀なものについて(電子)書籍化を検討
2−1(参考) チェックシート
(1)チェックシート
サイエンスチェッカー(シナプスに登録した科学者)、一般科学者、生活者が、それぞれ共通のチェックシート(フェイスブック)を持つことができる。そこでは、科学・技術に関する特定のテーマに対して、自身のスタンスを表明することができる。
(2)科学・技術評価
(1)で表明されたスタンスを統計処理・クロス集計し、視覚化する。ただし、その結果から特定の方向へ生活者を誘導するようなことは、シナプス自身は実施しない。サイエンスチェッカーが独自に活動するのは自由。また、このチェックシートの内容は各自がいつでも変更できる。チェックシートへのログインはOpenIDを利用し、既存プラットフォームとの互換性を確保する。
(3)アウトプット
(2)の評価内容は常に閲覧可能とする。また、既存プラットフォーム(ブログ、ツイッター等)への投稿を容易にする仕組みを用意する。
2−2 サイエンス・コメント
科学に対して科学者が光をあて、生活者に理解してもらう。
(1)解説者
解説者は博士号取得者(無条件)、博士号取得者から一定数の推薦を受けた者。評価投票は義務ではなく自由意志。表現者と博士の連携もひとつの形。
(2)解説対象
基本的に何でも可。最新ペーパーなども解説対象。
具体例:
DNAの骨格がリンではなくヒ素になることの意味
はやぶさの成果
放射線はなぜ体に悪いのか
(3)解説方法
(ア)解説者による投稿
(イ)解説者のブログからのトラックバック
(ウ)参考資料へのリンク
(4)アウトプット
(ア)ウェブサイトで公開
(イ)優秀なものについて(電子)書籍化を検討
(5)備考
真面目なだけではだめ。エンターテイメント性を含む必要がある。話を聞いた人が「これ、面白いから見てみて」と伝えていくような魅力が必要。
2−3 サイエンス・レポート
(1)解説者
実際に当該テーマを研究している現場の研究者であることが前提。
(2)解説対象
研究者が提案したもの。当面は評価委員会で妥当性を協議(あくまでも、法的整合性などに限定)。購入希望企業からの提案も受け付け。
(3)内容
企業向け最新技術レポート。サマリーのみをサイト上で公開。全文については有料配布。価格は5〜50万円程度を想定。著作者に対しては30〜50%程度を還元。
(4)備考
科学者が自らの手で企業向けのシンクタンクレポートをまとめるイメージ。本格的なレポートでは高額になり、企業も手が出しにくい。低価格で手をつけやすいレポートとし、さらに詳細なレポートが必要な場合はあらためて受注する。また、組織外への持ち出しは禁止する。シナプスでは内容の審査までは困難なケースが多くなると予想されるので、基本的にレポートのフォーマット部分についてチェックを行う(日本語、英語に不備がないか、原著論文のリファレンスが整備されているか、一般的な見解と個人の見解とが分離できているか、著作権等他者の権利の侵害がないか、など)。
2−4 サイエンティスト・スタンダード
博士課程で学ぶ学生が身につけているべき能力について、継続的にその標準を提示する。
(1)スキル・スタンダード設定者
実際に当該テーマを研究している現場の研究者であることが前提。
(2)スキル・スタンダード
研究者として身につけているべき標準的能力について明示する。研究者としての一般的な能力、専門分野の能力の2本柱とし、その総合点で評価する。分野は科研費の分科に準ずる。
(3)スキル審査
個人のスキルを試験形式で審査する。極力記述試験を避け、パソコン・インターネットによる受験を目指す。分野横断的な標準スキルと、分野ごとの専門スキルに分割することを想定する。審査結果は本人に通知するとともに、大学・学部ごとに統計データを発表する。受験資格は特に問わない。年2回受験できる形を目指す。審査結果は偏差値化して個人に提示するとともに、統計資料を公表する。問題は毎回作成し、非公表とする。
(4)審査問題作成者
標準スキル問題については現場の研究者、専門スキルについては当該テーマを研究している現場の研究者とする。問題作成者は秘密保持義務を厳格に課す。退任後は作成者であった事実を公表可能とするが、公表後は原則再任しない。ただし、スキル・スタンダード設定者への転出は可能。
2−4(参考)試験方法
(1)主観の交じる記述方式を極力避ける試験システムを構築する
採点者の主観が交じる記述式試験を極力避ける。選択式の問題は「次の中に1ないし2の正解が含まれる」とし、完全正答のみ正解とすることによって「偶然の正解」を極力排除する。数値計算問題は数値を直接入力する形とする。その際も、解答欄からは桁数がわからないように、正答が24.3なら00024.3などと入力するように工夫する。
(2)問題数は過剰にする
100点になってしまうとそれ以上の評価ができなくなるので、100点が取りにくいように問題を過剰にする。採点後、偏差値化する。
(3)試験案
○読解能力・評価能力
分野横断的な複数の原著論文(英文)を提示し、「何をやったのか」「何がわかったのか」「何が残された問題か」「次は何をすべきか」について問う。
○知識・データ収集能力
論文リストの中から特定テーマに関する論文を問う。仮説を実証するために必要な検証項目を問う。与えられた課題を解決するために利用すべきデータベース・論文誌を問う。当該テーマの専門家を問う。また、個別の専門家と関係の深い事項を問う。
○分析・考察力
与えられた生データから推測される結論を問う。生データを処理するのに用いるべき手法を問う。
2−4(参考)審査方針追記
(1)研究者の基礎的能力、特にインプット能力にフォーカスする
論文執筆能力、プレゼンテーション能力などのアウトプット能力については論文誌や大学等による審査に任せる。
(2)将来の利用方法
研究者の基礎的能力を数値化するものなので、大学院における飛び級審査の資料、博士論文に着手する前段階のハードルとしての利用、大学院が輩出する人材の数値目標などに利用されていくことを想定する。
(3)現状で残されている課題
リーダーシップ、協調性といった部分については、本審査、および他組織での審査でも評価が難しい。これらの能力は偏差値主義では推し量れないので、基本的には今後も審査の対象とはしない。また、英語読解力については審査しているものの、英文執筆能力については審査ができない。複数の英文を列挙し、「論文として相応しい文体を選択せよ」といった問題を設定することは可能かもしれない。
2−4(参考)実証実験(初年度)
(1)大学教育学部、あるいは教育学の専門家との連携
「大学院教育の効果測定」というテーマで連携できる大学研究室、あるいは専門家と連携し、共同研究の形でノウハウを蓄積する。
(2)大学との連携
特定大学との連携を図る。初年度に、ケーススタディとして同一大学内において修士1年から博士3年までを対象とし、同一問題による試験を複数回実施する。そのテスト結果を統計的に処理し、学年、および研究室ごとの差を検証する。可能であれば、個人ごとの経年変化(半年〜1年)についても検証する。
(3)試験
コスト軽減を目的とし、実証実験は極力費用を押さえる形で実施する(インターネット受験等)。この試験結果はあくまでも実証実験という位置づけとし、研究室評価などのデータには利用しないことを明示、不正を防止する。受験者には個別に得点、偏差値データのみを提供する。大学には個人名、および研究室名を匿名化したデータを提供する。
3 収益
(1)アフィリエイト等、広告収入(中立性は確保)
(2)理化学機器の広告収入
(3)電子書籍化した場合に一定額をシステム利用料として徴収
(4)判定結果の利用料(マスコミ等で利用する場合は有料とする)
(5)サイエンス・レポートの販売管理費
(6)スタンダード審査料
4 短期行動(1年想定)計画
(1)会社理念の告知
会社の理念のPR
(2)サイエンスチェックのためのサイトを構築する
サイト構築
(3)サイエンスチェッカーを募集する
有識者、研究者コミュニティ経由での募集、プレスリリース
(4)サイエンスコメンテーターを募集する
有識者、研究者コミュニティ経由での募集
(5)サイエンス・レポートの作成環境を整備する
現役シンクタンク研究員等との連携
(6)電子出版業者との連携を図る
シナプスにおいて査読したものを速やかに出版できる体制の整備
(7)サイエンティスト・スタンダードの素案を作成する
審査システムのグランドデザインの設計、設計者の選定、生化学分野の素案作成
5 中・長期目標
(1)博士を活用した事業を採算に乗せる
(2)包括的な「博士」という存在と生活者の距離を接近させ、顔を見せる
(3)中立的な「博士の意見」を公平な場で集約し、提示
(4)将来的には博士の目を政策にも反映
(5)日本発の影響力のある学術誌への発展も睨む
(6)博士課程・修士課程・学部卒業生の学生の能力標準を策定
(7)大学のカリキュラム作成コンサルティング(審査部門とは完全独立)
6 法的規制
なし(調査中)
7 リスク
(1)中立性の維持
最も重要と考えられる中立性の維持が困難になるケース。資金確保による株主構成の変化には細心の注意が必要である。
(2)公的機関の参入
文科省系財団法人を筆頭に、本分野に公的機関が参入する可能性がある。事業開始直後の3年程度が勝負となる。
(3)当初年資金
審査にかかる費用は当初年の問題作成料などでかなりの赤字が予想される。
(4)クォリティ
審査試験のクォリティを高めることができず、審査としての信頼性を得られない可能性がある。
(5)協力者
大学、研究者などの協力が得られない可能性がある。
8 設備・運転等資金計画
(1)土地、建物等は当初不要
0円
(2)インターネット関連
専用サーバー確保 96万円(年額)
ドメイン確保 1万円
ウェブサイト構築(会社サイト) 20万円
ウェブサイト構築(サイエンス・チェック) 300万円
(3)審査試験実施
検討中(問題作成、審査実施、採点、試験結果配布、レポート作成等)
恐らくかなりの資金が必要(試行段階ではネット試験なども検討)
9 資金調達計画
(1)策定中
10 販売・粗利計画
(1)初年度売り目標
アフィリエイト収入 60万円(月額5万円程度)
サイエンスレポート収入 100万円(10万円×10本)
(2)3年後の企業の姿 策定中
アフィリエイト収入 360万円(月額30万円程度)
サイエンスレポート収入 1000万円(平均20万円×50本)
審査料収入 2億円(受験料1万円×1万人×年2回)
11 人員計画
(1)策定中
12 収支予測
(1)策定中
13 体制
(1)取締役会
未定
(2)キーパーソン
調整中
14 立ち上げ戦術
(1)キーパーソン決定次第、全容をウェブで公開する
(2)資本金を集める。また、匿名化された寄付をつのる
(3)アフィリエイトによる協力が得られるよう、手続きを進める
(4)各種ネットメディアを利用し、告知を進める
(5)3ヶ月程度を目処に、人的配置を含めた事業全体のグランドデザインを確定する。
(6)震災復興に関連付けて何かできないか。もちろん、あくまでもビジネスとして。
15 備考
(1)国や企業には頼らない。タックスイーターにならない。頼るのは研究者(博士、修士等含む)、研究に理解のある一般生活者。
(2)サイエンス・チェックは推進派、反対派にフェアにチャンスを与える。
(3)技術の実現予測などについては結果がわかった時点でフィードバックを行う。論文の場合は発表から5年程度を目処とし、論文ランキングなども発表する。
(4)利益を出して株主に貢献しつつ、雇用を創出する。
(5)サイエンティスト・スタンダードは、大学と「情報提供」⇔「審査促進」という形で良好な関係を構築する。
(6)資金調達は独立性を重視する。サイエンスチェックなどの利害関係団体からは資金を調達しない。