2011年03月30日

潜水艦、浮上せず

千葉県の子供のいる家庭で、水道水を飲ませるところは激減しているだろう。

千葉の水道水、22日に一般規制値超えるヨウ素

千葉県だけではない。東京、神奈川、埼玉といった主要な関東都県では、水道水を飲まなくなっているのではないか。もちろん、大人でも控えている人が少なくないだろう。

なぜかって、正確な情報がきちんと生活者に届いていないからだ。この記事はそれを一層明確にした。一週間後になって、「実は規制値を越えておりました。乳児向け規制値の3倍以上でした」って、アホかと。慌てて、「毎日飲まないなら大丈夫」って、それじゃぁ規制の意味がない。ダメなものはダメなんだよ。やるべきことは組織のトップが土下座して、「皆さんに放射能入りの水道水を飲ませてしまいました。責任者の○○は懲戒免職、××にはこれこれの処分をいたします。また今後はこういうことが起きないように、次のような策を講じます(云々カンヌン)・・・」ってこと。でも、謝ることもせず(記事には書かれていない)、責任者の処分もなく、今後の対応策もない。御用学者を担ぎだして、「飲んでもすぐに影響が出るものではありません」と喋らせるだけ。こういう姿勢の行政が信用されるわけがない。

要は、「買い占めを誘発しているのは誰だ?政府じゃないのか?」と、下記の動画で指摘したとおり。



「行政は信用できない。自分の家族は自分で守らなくてはならない」と考えるのが普通の人間の思考回路である。だから、水の買い占めはなくならない。解決策はひとつ。需要をカバーするだけの十分な非汚染水を供給することだけ。

今回の原発の事故は、ある意味で民主党政権にとってチャンスでもあった。きちんとした対応をして、危機管理能力を世界に示すことができれば、当然支持率もあがったはずだ。実際のところ、「今は民主党を支持するしかない」と考える人が多かったと思うし、僕もその一人である。しかし、やはり浮揚機構を失った潜水艦は所詮事故物件。ほんのちょっと浮上に転じたのは単に海流が良くなっただけのことで、根本的な問題は何も解決していなかったようだ。震災直後の混乱が一段落して、政府の無能っぷりはどんどん強調されてきている。潜水艦の沈降スピードはむしろ震災前よりも上がったかも知れない。

ダメな行政が信用されるわけがない。だから買い占めが起きる。だから風評被害が起きる。「買い占め反対」と言ってはみたものの、これじゃぁ無理だよ。

今のところ、僕が「この人はちゃんとしている」と感じた政治家は河野太郎氏ひとり。「この人はちゃんとしている」と感じた学者は広瀬弘忠東京女子大教授ひとり。

#ふるさと納税に加えて、ふるさと投票とかできないのかな。

##原子炉関連がこの体たらくだと、宮城とかの被災地支援は大丈夫なの?と心配になってくる。

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