2011年04月07日

農水産物について行政がやるべきこと(千葉の水産物はキンメダイとマアジ以外全部放射能汚染)

千葉県産の魚にも値つかず 農水省、風評被害排除へ通知
http://www.asahi.com/national/update/0406/TKY201104060572.html

だーかーらーよー、それは風評被害じゃないんだってば。農水省、馬鹿じゃないの?そんなだから脳衰省って言われるんだよ(いや、僕が経産省時代に使っていた蔑称ですが)。僕が役所にいたとき、農水省の委員会の議事録が回ってきて、当時の大臣だった武部さんが「こういうのは、知らないうちに食べていたっていうのが一番良いんだ」みたいなことを発言していた。僕達は「良くこんな議事録を平気で外に出したね」って感心したんだけれど(笑)。

風評被害っていうのは、汚染されていないものまで汚染されていると判断されることなんだよ。消費者が無知なために起きるもの。

このニュースの事案は、「大丈夫だ」っていう保証がないだけの話。僕だって食べたくないよ。食べて欲しければ、ちゃんとすべての魚介類について「これは○○ベクレルです」って表示しろという話。

国が魚介類の放射性物質に関する基準を定める前に捕獲されたもので、魚種も出荷が自粛されたイカナゴでなかったことなどから、農水省は銚子の魚市場の対応が卸売市場法に抵触すると判断。


魚市場の対応は普通だと思うけれどね。基準を定める前だからオッケーとかだったら、もうそこの魚は全部買わないよ。こういう姿勢が「本当の意味での」風評被害を招くんじゃん。

千葉県を始め全都道府県と市場団体に「科学的・客観的な根拠に基づき適切に行動する」ことを求めた。


全くです。科学的・客観的な根拠とは、放射性物質に関する基準(しかも、コロコロ変わる)がいくつか、じゃないよ。その魚の放射能がどの程度なのか、ということ。値札と一緒に放射能を提示しろ、という話。

農水省は一応ウェブサイトで海産物の放射能汚染について資料を出しているんだけれど、

水産物の放射性物質の検査結果について
http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/kensa/pdf/20110405datasheet1.pdf

遅いんだよね。これじゃぁ、生魚は腐っちゃう。それから、千葉県のサイトを見るとこういうデータもあるけれど、

水産物のモニタリング検査結果に係る放射性ヨウ素について
http://www.pref.chiba.lg.jp/suisan/press/2011/230406youso.html

これも遅い。もう一週間も前の数字じゃん。それから、こういう結果を見ると、大丈夫なのはキンメダイとマアジだけで他は全部やられちゃってんじゃん、ということになる。規制値以下とか、そんなの関係ないからね。ヨウ素やセシウムが検出された水産物と、検出されない水産物で、同じに評価してもらえるわけがない。体に影響があろうがなかろうが、放射能に汚染されていることは間違いないわけで、その瑕疵をどう評価するかはあくまでも消費者次第。結果、価格が下がったとしても、これは風評被害じゃないよ

関東(に限らないけれど)の消費者は「この魚は○○ベクレルの放射能に汚染されているから、××円ぐらいが適正価格」って、判断しなくちゃならなくなったということ。農産物についても、水産物についても、基準をクリアしていなければマーケットに出てこないのは当たり前。その上で、「クリアしている中で、どの程度汚染されているのか」という情報公開が求められている。だって、今までだって「これは中国産だから化学物質が入っていそう」とか言って、安値で扱ってきたんだから。でね、そういう検査にあたって、生産者自らがやっていると、なんか偽装とかしそうでしょ。そういうときこそ、公務員の出番なんじゃん。賄賂もらわないでも生活していけるだけの給料を貰っているんでしょ?せっせとモニタリングしてくださいよ。役所ではこの手の統計系の部署ってものすごく評価が低いんだけれど(ルーチンな作業で新しい予算につながらないから)、僕は最も公務員らしい部署だと思うんだよね。きちんと情報を集めて、それを分かりやすい形に加工して、使いやすい形で公開する。これってすごく大事な仕事でしょ。

菅内閣の姿勢を見ていると、「愚民はお上の方針に従っていれば良いんだ」という思惑が垣間見えてものすごく気持ち悪いんだけれど、その姿勢が直らない限り、農水産物の適正な評価は行われない。愚民は、お偉方が思うようには動かないものだよ。愚民にだって心があるからね。「役人が大丈夫だって言っているけれど、信用できないから茨城と千葉と福島のは食べるのやめよう」って思うでしょ、普通は。それに、放射能に汚染されているものと、汚染されていないものを同列に扱うのは無理な話。それだけのことをやっちゃったんだよ。やるべきことは「大丈夫、大丈夫」と連呼することじゃない。その農産物がどの程度汚染されているかを明示することと、それによって生じた損失をしかるべき組織(多分、東電か国)が賠償すること。

なんか、世界へのお礼はタイミングが凄く遅いし、汚染水の海への垂れ流しも国際的な合意なしに自分勝手にやっちゃうし、20〜21日にかけての放射能大量バラマキについては今も説明がないし、言論統制は始めるし、首相は滅多に国民の前に出てこないし、国の代表としての力量が決定的に不足していると思うのですが。

この記事へのトラックバックURL