2011年04月13日

Twitter後のネット社会 番外編 その3「ポジティブ情報も生き残れないTwitter」

徳力さんがこんな記事を書いています。

嘘やデマが“生き残れない”ツイッター

この記事を読むのが面倒くさい人のために3行でまとめますと、「ツイッター上の嘘やデマは一日もすれば沈静化します。企業のネガティブ情報や炎上などもすぐ沈静化しますよ」といった内容です。書いてある内容はその通りだと思います。この記事を通じて、徳力さんは逆説的に、「だから安心してください。マーケティングツールとして使えますよ」ということを言いたかったんだと思います。

でも、別の視点から言えばポジティブ情報もすぐ沈静化するということになります。たとえば先月僕が作った「買い占めするならカネ送れ」という動画の場合、ツイッター上でのピークは17日、19日、25日といくつかのピークはあったのですが、4月以降はそれほど大きなピークがありません。もう、ネタとして消費しつくされたということです。おそらく30万人ぐらいが閲覧したと推測できるのですが、それをテレビの視聴率で言えば0.3%にしかなりません。この数字は視聴率としては非常に低い数字です。日本人で言えば、300人に一人しか見ていない勘定になります。「あなた、これを見ましたか?」と片っぱしから尋ねても、知らない人のほうが断然多いことになります。この動画の拡散の少なくない部分はツイッターによるものですが、だからこそ、定着もせずにすぐに消費されてしまうのです。YouTubeの場合、「チャンネル登録」という形で読者を固定化できるのですが、今回、一連の動画で僕のアカウントを登録した人は750人ぐらいです。僕のブログのPVが大体平均して3000ぐらいですから、25%ぐらいでしかありません。ツイッター経由のメッセージ送付というのは、その程度の威力しかないということです。

ツイッターは、お客様とのパイプという意味ではそれなりに機能します。ただし、それは企業→お客様というよりは、お客様→企業という色彩が濃くなります。企業サイドからはなかなか声が届きません。そして、お客様からの声にはきちんと耳を傾けないと、お客様がフラストレーションを抱えることになります。「伝わらなくて当たり前。対応して当たり前」がツイッターの商用利用の基本的な考え方です。「嘘も、デマも、そしてもちろん自分たちにとって都合の良い情報も、全てが素早く消費される」のがツイッターなのです。

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