2011年05月20日

就職活動もそろそろ終了のようですが

そろそろ就職活動も佳境のようで、ツイッターとかでも「全滅です」とか、「終了です」とかの文字がちらほら見受けられる。まだ地方公務員の試験とかは実施されていないと思うので、完全終了ということではないと思うけれど、就職戦線が厳しかったのは間違いがないと思う。そして、それは多分今年だけじゃなくて、来年も、再来年も、当分の間、就職活動は凄く大変だろう。なぜって、地震で日本の経済状況が悪化したから。

東電がどう処理されるとしても、多分電気代は高くなる。電気代は企業にとってバカにならないコストで、それが高くなるんだから、代わりに人件費を削りたい、と考えるのがまず一つ目の理屈。もう、こんな国でやってられるかー、と製造業が生産拠点をアジアに移してしまう、というのがもう一つの理屈。そして、地震うんぬんの前から景気は悪い。これが三つ目の理屈。この三つの理由によって、日本での就職の難しさはほとんど良くならないと思う。

社会環境が厳しくなったとき、終身雇用によって既存社員のクビを切れない日本の企業は、必然的に新規雇用を絞る必要がある。クビを切れない社員は年功序列によってどんどん偉くなり、コスト高になる。終身雇用と年功序列のコンボが続く限り、状況は悪化していきそうだ。

ただ、そんな状況でも、僕の周りの知り合い達は特に就職に困ったフシがない。何故かって、僕の知り合いは東大、東工大、一橋がほとんどだから。別に僕が学歴を重視して付き合う相手を決めているわけじゃないけれど、なんだかんだで大学のスキー部人脈というのは強いというのがひとつ。あと、僕が通りすぎてきた会社や役所がこのあたりの人間が多かった、というのもある。僕の周りの学生は結果的にほとんどがこういう人たちだ(ちなみに会社は履歴書取らないので、そもそも社員の学歴を知らない)。早慶にはあいにくこの瞬間知り合いがいないけれど、先に挙げた3大学ほどではないものの、そんな悲惨な状況ではないんじゃないかな、と勝手に想像している。はっきり書けば、これまでの数年、そして多分これからも、「就職活動」という切り口では、日本には一流大学と二流大学とその他の大学しか存在しない。一流大学は東大と京大のふたつ。二流大学は東北、阪大、一橋大、東工大、早慶ぐらい。あとはもう全部一緒だ。時々、明大の奴が「俺たちは青学よりは上」とかしゃべっていたり、お茶大の子が「奈良女と一緒にされちゃァ困る」などとしゃべっていたりするのを小耳に挟むけれど、ぶっちゃけ、「就職活動」において三流大学に上下はない。この間も東大の博士課程の人とそういう話をしたけれど、理科大と上智とどっちが上かとか、そんなことには大企業の採用担当の人間はもう全く興味がないし、どうだって良い話なのだ。

少なくとも、大企業に就職することを考えたときに、大学の看板が役に立つのは二流大学までだ。だから、そういう会社に就きたいと思うなら、大学受験の時にちゃんと考える必要がある。あと、いわゆる学歴ロンダリングは使えない。履歴書には基本的にきちんと出身大学も明記されるからだ。そして、大学院からなら一流、二流大学に入るのが凄く簡単なことを、企業の採用担当者はもちろん知っている。日本における就職活動で大事なのは最終学歴ではない。大学の入試でどういう成績を取ったか、つまり、どこの大学に入学したか、である。なぜなら、大学での教育などに企業は何の期待もしていないからである。勉強の内容よりも、どんなバイトをしたかとか、どんな部活をして、そのクラブの中でどういう役割を果たしたのかに興味がある。

さて、ここからは理系限定。理系の場合、就職の手立ては2種類あった。ひとつは教授の口利き。もうひとつは自分の努力(就職活動という努力)。理系の大学院まで行った場合、「どこでも良いから」ということなら、就職は必ずできた。なぜなら、それが教授の価値だったからである。ただ、教授が押し込める企業は限られている。そこが気に入らないなら、自分で何とかする。以前はこれが当たり前だった。僕の場合も、「こことここなら入れてあげる」というオファーがあった。でも、僕はメーカーに行く気がなかったので、自分で勝手に就職活動をして、勝手に就職を決めた。これなんかはちょっと変わっている部類だった。基本的には、教授のつてか、あるいは研究室に残るか、だった。でも、最近はどうやら違うらしい。行き先がなくて困ってしまう学生が少なくないようだ。二流大学以上なら大学の看板でいくらでもなんとでもなるが(もちろん、間違って合格した馬鹿は就職できないけれど、これは例外)、三流以下の大学では教授の力しか依存するものがない。だから、研究室を選ぶ際は、その研究室の就職状況をきちんとチェックしておく必要がある。民間企業に就職したいなら教授の政治力は非常に重要だ。

本来、就職先が見つからないような大学はそれだけで敬遠されるべきだし、企業に学生を押し込めないような教授の研究室に人が集まるほうがおかしい。ただ、数年前までは、何とか全員を押し込むことができたんだと思う。残念ながら、そういう状況はもう終了したみたいだ。だから、就職活動で楽をしたいなら、二流以上の大学に行くか、三流以下なら良い先生(=政治力がある先生)を選ぶことが大切である(いや、二流以上でも大事だけど)。

ま、そうやって頑張って入るだけの価値が会社にあるか、とか、いつまでも既得権者としてやっていけるか、とか、不確定要素は山ほどあるんだけれどね。

#ちなみにうちの会社は365日、24時間人材募集をしております。
#なんども書いているけれど、履歴書は不要です。
#ただ、途中で「やっぱ、やめた」っていうのは会社にとっても物凄く負荷が高いので、覚悟のない人には無理です。
#以前、「不採用連敗記録」を自慢している人がうちの会社の面接に来ました。もちろん「採用」でしたが、「やっぱり自信がない」とご辞退されました(笑)。
#今の募集は主に「ヘアカットJP」とスキー用品の営業要員!!!
#「ヘアカットJP」については宮城県界隈、特に歓迎。
#だけど、「これをやりたい!」っていうのがあるなら、それはそれでオッケー。
#ただし、国の補助とか、委託金とかを目当てにするのは無理。うちは税金には基本的に手をつけません。
#学歴主義には是非あると思うけれど、僕は確率論としては意味があると思っている。確率論とは、一流大学の人材の方が三流大学よりも使える人材である可能性が高い、ということ。「細かいことまでチェックしていられない」という採用担当者が学歴でスクリーニングするのは普通のことだと思うし、「どっちにしようかなぁ」と迷った時も、学歴を参考にするのはそれほど突飛な話ではないと思う。

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