ちょっと長めの2時間20分の映画。そのうちの、1時間45分ぐらいはかなり退屈で、「どうしてこういう、ツイン・ピークスみたいな映画を作っちゃうんだろうなぁ」と思ってしまったのだけれど、最後の30分ぐらいできちんと広げた風呂敷を畳むのが見事。9回の表まで1−0で負けていて、9回の裏になんとか同点にして、延長11回、これでアウトになれば時間切れで引き分けで試合終了のツーアウトランナー無しからサヨナラホームランで勝利、という、2011年6月4日の中日対西武の試合みたいな映画である。もう、ずーーーーっと辛い状態が続くので、ラストのスッキリ感はなかなかのもの。
ブルースクリーンの処理がイマイチなのが減点要素。でも、映像表現自体はなかなか面白かった。
この映画、きちんとレビューを書くには、ネタバレが必須。なので、追記に書きます。評価は☆2つ。
さて、追記。孤島にある精神病院に保安官が訪れるのだけれど、幻覚満載で何が何だかわからなくなってくる。こういう、観ている人間を煙に巻くような映画ってときどきあるよなー、知的マゾがこういうの、好きなのかなぁ、などと思っていたら、ラストで「実は、主人公が精神病でした」という展開。最後の治療としてトライしていた様子を患者の側から描いていました、と。このあたりは昔の悪魔の契約者探しの映画と一緒。視点が精神病患者なので、そりゃぁわけわかんないよね、と納得。その上で、この映画はさらに一捻り加えてある。最後の会話で、「あぁ、もとに戻ってしまったんだな」と思わせつつ、主人公の言葉から「いや、実は・・・・」となるところがなかなか良い。製作者は、このラストシーンをまず一番最初に決めて、そこから遡って脚本を書いていったんだろうなぁ。
ところで、仕掛けは面白かったけれど、別に凄い謎があるわけでもなく、それを確認するために何度も観るほどのこともないよね?精神病患者の視点からの映像表現がなかなか興味深かった。