2011年09月13日

高血圧にトクホとか、どうなの?

僕は3年ぐらい前に健康診断で高血圧と言われた。前から血圧は高かったんだけれど、年齢があがるにつれてどんどんひどくなってきた。当時で、150-105ぐらい。ちょうどメタボがどうのこうの、と世の中が騒いでいる時期とも重なって、医者からは「やせろ」「運動しろ」「食塩摂取量を減らせ」と言われた。だけど、当時でも週3回はトレーニングをしていたし、味付けは薄いのが好きだから、塩分はもともと控えめ(もちろん血圧のことも自覚していたから、塩分控えめの生活をしていた)。「やせろ」だけはそのとおりだったので、6キロほど体重を落としてみた。他にも体脂肪が落ちるお茶とかを「どうせ効かないだろう」と思いつつ飲んでみたりした。結果、何をやっても血圧は下がらなかった。詳細なデータ(直近3ヶ月の朝と夜の血圧データ、および10年以上にわたるジムでの血圧測定データ)を添えて医者に相談したら、「薬を飲みましょう」とのことだったので、以後3年間、薬を飲み続けている。今飲んでいるのは

カルブロック
オルメテック
ナトリックス

の3種類である。上のふたつは一緒になっているタイプがあるらしいが、まだ試していない。さて、この薬を飲み始めてどうなったかというと、今の血圧は122-78である。医者は僕が3ヶ月ごとに持って行くデータを見ては、「血圧の薬って、良く効くんですねぇ。メーカーがこの詳細なデータを見たら喜びますよ」と苦笑している。ここまで神経質に全てのデータをとって、検討している患者は珍しいらしい。

こうやって高血圧対策をしてみて思うのは、

1.食餌制限、健康食品などは全く効果がない
2.運動などは全く効果がない
3.薬は効く

ということだ。役所の都合で「生活習慣の改善で健康的な生活」とか言ったり、メーカーが商売で「血圧の気になる方へ」などとラベルをつけてお茶を売ったりしているけれど、こんなものは薬の効果に比較したら屁みたいなものだ。そして、3割負担なら、高血圧の薬は1日100円弱の負担で済む。

大体、トクホのお茶とかは多少の薬効成分が含まれているのかもしれないが、要は混合物である。その中には必要なものもあれば不要なものもあるはずだ。そこが薬と決定的に違う点である。できることなら、その中から有用成分だけを取り出して、薬として販売すれば良いのに、なぜそれをやらないのか不思議で仕方がない。っていうか、それをやらないんだから、効かないんだろうな、と思う。むしろ、「一日一本を目安にご利用ください」って、それは立派な偏食である。健康的な生活はバランスの取れた食事こそが大切で、今日は牛乳、明日はコーヒー、明後日は紅茶でその次は緑茶・・・みたいな多様性のほうが大事なんじゃないかな、と僕は思う。パイナップルダイエットとか、紅茶キノコとか、カスピ海ヨーグルトとか、こんなのも「毎日食べましょう」となったところで単なる「偏食による不健康な食生活」になりさがる。そんなことなら、少なくとも高血圧対策としてはきちんと効く薬があるんだから、薬を飲んでおけ、と思う。薬は必要にして十分な成分しか含まれていない。血圧の下がり具合によって分量も変えていける。もちろん薬が効かない人もいるだろうが、その場合は薬を変えてみれば良いだけのこと。少なくとも僕は、「どんな薬を飲んでも効果がなかったけれど、トクホの高血圧用のお茶を飲んだらびっくりするほど血圧が下がった」という人を知らない。逆については、少なくとも僕が1つの確実な事例である。

時々「薬は副作用が」とかいう人がいるけれど、人工物は副作用があって、天然物(食品)には副作用がない、というのは間違っていると思う。食品を健康対策として(例えば血圧を下げる、とか)本当に効果がでるまで食べ続けるなら、それはそれで何らかの副作用が出そうなものだ。なぜ副作用が出ないかって、単に、そこまで徹底して食べていないだけのことじゃないのか。そして、副作用が出るまでやらないのなら、目的としていた効果も期待できないんじゃないかと思う。大体「薬が嫌い」とか言っても、そういう人たちだって花粉症ならほとんどの人が薬を飲むんじゃないの?要は、生活習慣病みたいに、トクホの対象になるような症状に切迫感がないだけなんじゃないかと。

具合が悪いなら医者に行って、きちんとピンポイントに効く薬をもらうべきだと思う。食品でなんとかしようとかって、それは不純物が一杯で効果もさっぱりわからないような、質の低い薬を使っているようなものだと思う。しかも、そっちの方が費用も高いと来ている。だから、僕はトクホで血圧対策をしようとしている人を見ると、「なんか、ちょっと違うんじゃないの?」と思うのである。いや、もちろん毎日ラーメンとか、年間1,000杯とか、そういうキチガイみたいな偏食で高血圧っていうなら話は別なんだけれど。

もちろんそれは高血圧だけにとどまらない。「特定の食品を毎日食べる」って、それ、喜ぶのはメーカーだけじゃないの?

何しろ僕は薬を飲んで、あとは好きなものを食べて飲む。

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この記事へのコメント
オチが良
Posted by 世の中に悪の種はつきつまじ at 2011年09月13日 10:21
> オチが良

ありがとうございます。
Posted by buu* at 2011年09月13日 11:26
トクホの守備範囲は「高血圧が気になる人、軽症の高血圧」なので、150-105という、すでに重症化してしまっている高血圧には、有為な効果が現れないのは至極当然なことなのではないでしょうか。
また、高血圧にもいろいろなタイプがあるので、トクホが効く人、効かない人、運動が効く人、効かない人がいて当然です。薬も人によって効く薬、効かない薬があります。
高血圧対策はひとりひとり違って当然なので、「これは効く」「これは効かない」という先入観を持たずに、また医師に任せきりにせずに、自分の身体と対話しながら自分専用の対策をそれぞれが自分で決めることが大事だと思います。
上記の理由から、自分にとって劇的に効果的だった高血圧対策であっても、それを他人に「これが決定的な高血圧対策です。こっちの対策は全く効果がありません」と喧伝し、特定の対策法に対する先入観を持たせることは、危険な行為だと思います。
Posted by はるお at 2012年06月03日 22:13

> 上記の理由から、自分にとって劇的に効果的だった高血圧対策であっても、それを他人に「これが決定的な高血圧対策です。こっちの対策は全く効果がありません」と喧伝し、特定の対策法に対する先入観を持たせることは、危険な行為だと思います。

医者にいけ、が危険とは到底思えません。
Posted by buu* at 2012年06月03日 22:56
勉強になりました。
いろいろな考え方が、あるんだな、と。
まだまだべんきょうが必要です。
Posted by ぐっさん at 2013年03月15日 15:01
お陰様で循環器系は絶好調です。
Posted by buu* at 2013年03月15日 15:37