せっかく国立競技場でのゲームなので、ちょっと観てきた。
ちょっと寒いかなー、という天候の中でのディゲーム。コンディションは良好。キックオフ直後から京都の時間帯になったけれど、そこを耐えて、10分ぐらいからはマリノスのポゼッション。ポゼッションのマリノス対カウンターのサンガ、という対抗型になったものの、マリノスが圧倒的に支配したかといえばそんなこともなく、感覚的には5.5対4.5程度。しかも、決定的なチャンスはサンガに多く訪れた。クロスバーが12人目の選手になってくれたり、ポストが13人目の選手になってくれたりして、マリノスには追い風が吹いていたと思う。
前半も終了かというタイミングでマリノスが先制する。この場面は、センターサークル付近でボールを受けた俊輔が千真のオフサイドラインを窺う動きに絶妙に合わせてのパス。この俊輔からのパスを抜けだして受けた千真が、落ち着いてキーパーをかわして得点。ちょっとらしくない展開。本当なら、マリノスがカウンターという立場になりたいところ。
さて、後半は・・・と思っている矢先にサンガに追いつかれる。3対3の場面を作られて、そのままミドルで決められてしまった。さらに後半27分ごろ、セットプレーから失点。これは僕が観ていた位置からするとどうにもならないシュートだった。
このまま試合終了かと思ったところでマリノスが意地を見せ、アディショナルタイム5分のラストプレーで大黒が同点ゴール。パワープレーの乱戦の中で確実に決めたのは見事。延長戦へ。
延長前半もマリノスのポゼッションに対してサンガのカウンターという構図は変わらない。延長後半11分頃にはセットプレーから大黒のヘッドもクロスバー。でも、今日はマリノスはポストやバーに3、4回助けられたはずなので仕方ない。その直後、例によってカウンター。抜けだした久保がフリーでシュート。これはキーパーが止めるのは無理。もうこの時点ではマリノスのディフェンスの脚が止まっていたということだろう。その後、前がかりになったところを再びカウンターで失点。万事休す。
2−4で力負け。
敗因は色々考えられるけれど、このメンバーで準決勝進出というのはまずまずだと思う。戦術に何か難があるというよりは、ゲームメーカーがいないことが痛いと思う。いや、一応俊輔がゲームメーカーなんだけれど、もう凄みのようなものやキレが感じられない。前にも書いたけれど、ガンバとマリノスの違いはヤットと俊輔の違い。このチームにヤットがいれば、常に優勝に絡む戦いができると思う。だけど、よそのチームの選手なんだから仕方ない。俊輔だって別に悪い選手ではないし、だからこそリーグ5位、天皇杯ベスト4、ナビスコも優勝したアントラーズに準々決勝で延長戦負けだから、全然話にならないわけではない。
どうなんだろう。もうちょっと上を望むなら、変えなくちゃいけないのはまずゲームメーカーだと思う。どこかにイニエスタとか、シャビみたいなのがいるのなら、だけど。俊輔はもうひと蹴りで試合の流れを変えることもできないし、体のキレで相手ディフェンダーをかわして数的有利を作り出すこともできない。これだと、試合は運頼みになってしまい、結果、常にカウンターのリスクに晒されることになる。もうひとつは左サイドバック。今日は何度ここをえぐられたことか。
それにしても、今日の応援は良かった。応援だけは圧勝していたと思う。
90年代前半ぐらいまではいつも「トーナメントに強い」と優勝候補に挙げられていた我がマリノスだけど、J開幕以降で決勝に残ったこと、ないよねぇ。残念です。ということで、来年のアジアチャンピオンズリーグ出場の可能性がなくなってしまったので、嘉悦社長は辞任ですね。お疲れ様でした。