さて、映画。スパイダーマンのアクションシーンが3Dで表現される、ということが最大の売りだと思うのだけれど、この出来はイマイチ。肝心の、糸を使っての空中飛行シーンが完全に迫力不足。他のパートはきちんと3D感がある(とはいえ、レイヤーを重ねたような3D感なんだけれど)のに、なぜ、という感じ。
続いて脚本。脚本というか、設定が滅茶苦茶。科学的な要素を入れるのは全然構わないけれど、いい加減に導入するのは勘弁。遺伝情報を融合させたらアポトーシスでも起きない限り一度再生した部位が薬切れでなくなるなんてことはないし、薬を強力にしたら持続時間が長くなるなんてこともない。あと、体があんなにでかくなるためには、ものすごい量の食事を摂る必要がある。最低限、質量は保存されないとおかしい。でも、そんなシーンは全く無くて、お前はどこから栄養を摂っているんだ、と突っ込みたくなる。トカゲの再生能力だって限界があるわけで、マシンガンで蜂の巣になったら普通のトカゲだって死ぬだろう(笑)。ジュラシック・パークでやられていた「インチキ」はそれほど気にならない種類のインチキだったけれど、本作のインチキは科学的考証が雑すぎる。「いや、遊びの映画なんだから」という意見はあるかもしれないけれど、それなら最初から科学っぽいところなんか見せなければ良い。
設定以外でも、突然オヤジが変なことを言い出したり、博士の考えがあまりにも突拍子がなかったり、スパイダーマンが頻繁に素顔を晒していたり(何の必然性もなく、自分からマスクを脱いでウロウロしたりするシーンまである)、なんだかなー、というところが多かった。あと、蜘蛛の糸が「装置」なんだけれど、壊れたらどうするんだろう(^^;
次に字幕。菊地浩司という比較的大御所の仕事だったけれど、日本語として文法的におかしいのではないかと感じた場所が3箇所もあった。日本語が不自由な人は字幕作家をやって欲しくない。あと、隠語でギャグを飛ばしていた部分を普通の会話にしていたのもいただけない。全体的に、出来の悪い字幕だったと思う。
そして肝心のエマ・ストーン。すげぇ可愛いと思うのだけれど、声がねぇー(^^; ちょっと、このヒロイン役にはフィットしないドスが効いた声。うーーーーむ(笑)。
さらに、エンディング。変なアクセントで単語も聞き取れず、何語だろうと思って聞いていたら日本語だった(^^;
この映画を褒める人の気が知れない。評価は☆ゼロ、と言いたいところだけれど、エマにおまけして☆半分。



