ぱいかじ南海作戦を勝手に応援する作戦(ステマじゃない)
黙っていてもみんなが興味を持つような、例えばiPhone5についてのレビューは、専門家に任せておけば良い。キュレーションの時代、とかちょっと前に言われていたけれど、そんな大層なことじゃなくて、僕たちのような「名も無きもの」が見つけてきて、応援しなくちゃならないのは、ちょっと日陰にあって、みんなが気が付かない商品やサービスだと思う。いいものや、頑張っている人を応援して、それが大きなうねりになって、結果的に作り手やサービスの提供者が儲かる。こういうのがネット社会の理想のはず。でも、実際はそうなってこない。日本人の「長いものには巻かれろ」というマインドがそれを助長しているのかも知れない。有名人が言及するとそれだけで効果があるものだから、ステマのようなインチキ広告が蔓延してしまう。インチキがはびこるのは、それを助長する土壌があるから。
去年、堀北真希主演の白夜行が公開された時、「勝手に宣伝部」が展開した広告手法は結構面白かったんだけど、ああいう、ちょっとマイナーなところが発信源になって、それが徐々に拡大していったら面白い。
今、僕が勝手に応援したいのは、
ミエシャントン(ポークジャーキー)とか、銀座の
万画廊やそこで頑張っている立体作家の
吉島信広さんとか、それはそれで色々あるんだけど、映画だと「ぱいかじ南海作戦」である。昨日レビューをブログ、Yahoo!映画、ぴあ映画生活に載せたけれど(全部同じ文章です)、レビュー投稿数はヘルタースケルターよりも段違いに少ない。公開映画館数も、ヘルタースケルターの203館に比較してたったの39館である。ヘルタースケルターはまだ観ていないので評価不能だけれど、こんなに差があるほどヘルタースケルターは面白いんだろうか。っていうか、沢尻エリカが脱ぐからって観てもらえる映画とか、芥川賞作品の映画化とか、あるいは墜落した飛行機の馬鹿でかいセットを使ってお金をジャブジャブ投入した映画とかとは違うんだよね、本質的に。そういう「話題性」や「お金」がなくても、役者の魅力、脚本の魅力、ロケ地の魅力で頑張っている。だからこそ、応援したい。
ちなみに、ここ一年ぐらいの、僕の邦画採点は、
ぱいかじ南海作戦 ☆☆★
苦役列車 ☆☆
るろうに剣心 ☆
愛と誠 ☆★
外事警察 ☆☆
テルマエ・ロマエ なし
宇宙兄弟 ☆
僕等がいた 後篇 ☆★
僕達急行 A列車で行こう ☆★
ももへの手紙 ☆☆
僕等がいた 前篇 ☆☆
マイウェイ 12,000キロの真実 ☆★
ALWAYS 三丁目の夕日'64 ☆☆☆
ヒミズ ☆☆☆
監督失格 ☆★
源氏物語 千年の謎 ☆★
カイジ2〜人生奪回ゲーム〜 ☆☆★
RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ ☆☆
大奥 なし
ステキな金縛り ☆☆
ツレがうつになりまして。 ☆☆
ハラがコレなんで ☆★
スマグラー おまえの未来を運べ なし
モテキ ☆☆☆
(ほぼ新しく公開した順)
といった具合である。
満点をつけたのは(堀北真希にサービスした)「三丁目の夕日」、(長澤まさみが可愛かった)「モテキ」、(被災して疲れた心に響いた)「ヒミズ」の3作だけ。そして、☆2.5なのが、(エンタメとして出来が良かった)「カイジ2」と、この「ぱいかじ南海作戦」である。
もうね、この映画を観ないで、何を観るの?と、問い詰めたい。この映画に動員しないで、僕のレビューの価値はないんじゃないかと。その位の勢いで、勝手に応援したい。ちょっと前に「ちょんまげぷりん」をDVDで見て、うわー、こんな面白い映画を何で見逃したんだろうって猛烈に後悔したんだけど、このブログを読んでいる皆さんには同じ思いをして欲しくないんです。さぁ、騙されたと思って、ぱいかじを観てきて!!!そうしないと、「うわーーー、こんなに美味しそうにビールを飲んでも良かったんだ!!なんでもっと早くこの映画を観なかったんだろう!!」って、後悔するよ!?
あとね、最近、みんな、「笑うこと」に遠慮しているよね。もっと笑おうぜ。「ぷっ」て吹き出すんじゃなくて、「ぶぶっ」て吹き出そう。クスクス笑うんじゃなくて、「アハハ」と笑おう。恥ずかしいなー、という人は、ぱいかじを観て練習すべし。練習の機会はたっぷりあります。
ダメ押し:僕みたいにダメなものをダメという人間の価値は、「オススメ!」と言った時にあるのであって、その数少ない場面を目撃したあなたは幸福である。
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はじめまして、突然失礼します。
FACEBOOKのコメントで、「総統閣下はお怒りです」の存在を知り、楽しく読み始めています(Pジャーキー関連。)。
まだ、読み始めたばかりなのですが。
48ページのたばこと原発のところで、少し疑問に思いました。たばこの影響プラス、I村70年で、がん死亡リスクが、3倍にとあるところです。
がんの死亡リスクの要因は、たばこや追加された放射線以外に、紫外線やアルコール等の食品など多くの要因があり、考えられる式は、
たばこを吸わない(0)+I村以外(0)+その他要因(C)=C
たばこを吸う(1A)+I村70年(2A)+その他要因(C)=3A+C
となるのではないでしょうか?
つまり単純に3倍にはならないですし、Cが大きければ、上昇率も下がるのではないでしょうか?
別に、事故の影響を過小評価しようとする気はありません。
あくまでも、がん死亡率です。死亡しないがんも含めれば、生活への影響も含めその被害は、想定できない影響があると思います。
まだ途中までしか読んでいないので、後段であそこで、だまされた読者はいないかといった記述が来るのかもしれません(だから、「自分でデータを集める、疑ってみることが大事だ。」と説明があったりとか?)。
おもしろい本(ためになる本)に出会えて、facebookをはじめてよかったと思っています。
漫画の部分がもっと多いと、もっと良かったです。
コメントありがとうございます。
> 48ページのたばこと原発のところで、少し疑問に思いました。たばこの影響プラス、I村70年で、がん死亡リスクが、3倍にとあるところです。
> がんの死亡リスクの要因は、たばこや追加された放射線以外に、紫外線やアルコール等の食品など多くの要因があり、考えられる式は、
> たばこを吸わない(0)+I村以外(0)+その他要因(C)=C
> たばこを吸う(1A)+I村70年(2A)+その他要因(C)=3A+C
> となるのではないでしょうか?
仰る通りです。この部分は「煙草による発がんリスク」と被曝によるリスクを比較していたので、50ページの「タバコを吸う人は、飯舘村に70年住むことによって、がんで死ぬリスクが3倍になる勘定だ」というのが不適切なまとめ方で、正確には「タバコを吸う人は、飯舘村に70年住むことによって、タバコによるがんで死ぬリスクが被曝によって3倍になる勘定だ」でした。後ほど訂正記事をアップすると共に、重刷があるようであれば、書籍も訂正させて頂きます。
> 漫画の部分がもっと多いと、もっと良かったです。
マンガは原作原稿を執筆してあったのですが、どうしてもテキストに比較して作業に時間がかかってしまい、今回は一作分だけとなってしまいました。僕としても残念でした。
返信ありがとうございます。
総統閣下の2巻、期待しています。
> 総統閣下の2巻、期待しています。
ありがとうございます(^^
実は原稿はあるのですが、第1巻が売れなかったためにボツになりました(;_;)