ポリオ不活化ワクチン後に死亡=移行後初、因果関係を調査―厚労省
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121024-00000028-jij-soci
さて、ここでの数字、100万人に1.4人とか、200万供給で1例とかなのだが、乳幼児の死亡率についての数字にこんなものがある。
新生児死亡率(1,000人出産あたりの人数)
1.ソマリア 52人
2.マリ 48人
3.コンゴ 46人
188.日本 1人(WHO加盟193ヶ国中、最少)
乳児死亡率(1,000人出産あたりの人数)
1.シエラレオネ 114人
2.コンゴ民主共和国 112人
3.ソマリア 108人
186.日本 1人(WHO加盟193ヶ国中、最少)
死産率(1,000人出産あたりの人数)
1.パキスタン 47人
2.ナイジェリア 42人
3.バングラデシュ 36人
162.日本 3人
188.デンマーク、フィンランド、ドイツ、アイスランド、ノルウェー、シンガポール 2人
以上、出典:世界保健機関(WHO)「World Health Statistics 2012(世界保健統計2012)」
日本は乳幼児の死亡率について、世界でも屈指の好成績を残しているのだが、それでも出産100万人あたり5,000人(0.5%)が死亡する勘定である。この中でポリオワクチン由来の死者が200万件中1件あったとして、それがどの程度の重みを持つのかといえば、恐らく全然大したことがない(ポリオワクチンって、一人に4回摂取するので、200万本出荷だと、対象となったのは50万人って勘定なのかな?)。厚労省も調査はするだろうが、それ自体に大きな意味があるとも思えない(そもそも今回の事例はワクチン接種後18日も経過しているので、無関係の可能性も少なくないのではないか)。国際的にやっていることなので、一応調べておいてデータ共有しましょう、程度なのかも知れない。
それでもこのニュースがここまで大きく取り上げられるのは、「もしかしたら、ワクチンをうつ必要がないんじゃないか」という思いが親のサイドにあるということなのだろうか。実際、1980年を最後に、日本では野生株のポリオウイルスによるポリオ患者は発生していない。ただ、世界で見ると、アジア、アフリカなどで年間750例程度(2011年)が発生している。ボーダーレス化が進んでいるので、絶対に安心とは言い切れないのだろう。
何はともあれ、まずは因果関係の調査をきっちりやっていただきたいところである。