2012年11月28日

「政党」って、何なんですか?

最近いつも思うのだけれど、「政党」というのは何なのだろう。僕は「共通の政治的主張や目的を掲げ、それに沿った政策の実現を目指す政治的組織」ぐらいに考えているのだけれど、これは間違っているのだろうか。

昨日、僕が「総統閣下はお怒りです」を放送している日の出テレビで「政治の時間」を観ていて、またわからなくなった。

先日、自民党が発表した選挙公約を読んでみて、「あ、これは僕の主張とは違うから、自民党には投票できないな」と感じた。僕の考えている政治的主張やそれに沿った政策案とはかけ離れたものになっていたからだ。まだ、民主党のマニフェストの方がフィットしていると感じた。後出しジャンケンはずるいので、ここにざっと僕の考えを列挙してみる。

★(方針として)人口増を前提としない、少子高齢化を前提とした制度構築(少子化対策に消極的)

★(方針として)経済対策が最優先事項

★(方針として)小さい政府志向、規制緩和志向

●国民総背番号導入

●会計ソフトの国営化
利用すると、そのままデータが税務署に届く。基本、申告不要。

●扶養家族による税制優遇の撤廃
時代に合わなくなった税制優遇は廃止すべき。

●選挙不投票罰金制導入
選挙で投票しない奴は罰金。そのかわり、電子投票あり。もちろん、背番号でログイン。

●電子世論調査、電子国勢調査
電子投票システムは平常時に世論調査や国勢調査ツールとして利用。5年に一度とかのんびりしたことをやっていると時代のスピードに合わない。

●選挙区の見直し、一票の格差の是正
現在の都道府県ベースの小選挙区ではどうやっても一票の格差は解消しない。地方別などの選挙区に改変すべき。全国を一区とした選挙区があっても良いはず。

●議員数削減
国会議員が多すぎる。無能な議員が当選しないように、議員数は半減を目指す。

●原発廃止(20年程度)
20年ぐらいのスパンで全廃する方向で考えるというのが現在の民意。これを尊重したエネルギー政策が必要。代替エネルギーへの転換、分散、および省エネルギー生活の推進。

●雇用の流動化
年功序列、終身雇用の会社への法人税の傾斜課税(あるいは、同一労働同一賃金の会社の減税)、解雇規制の大幅な緩和などによって雇用の流動化を加速。

●小さい政府
治安維持、外交、統計、貨幣発行以外分野での民営化促進(特に官僚組織における政策立案部分の民営化)。公務員制度には能力主義の導入。これが無理なら、能力と責任が問われる仕事は外注。

●反国土強靭化
GDPの拡大、国家的産業力強化に直結しない公共投資は全廃。

●男女平等
男女差別のある組織(例えば「一般職」採用のある組織や、男子だけが参加可能なクラブを設置している学校、もちろん、高校野球も含む)には公的支援、および発注を全面廃止。

●農政の方針転換
保護主義からの脱却。守りから攻めへ。内需維持から輸出拡大へ。

●官僚組織内に「節約監視」部門(節約するのが仕事)、評価部門(政策効果の評価)を設置

●行政広告の改革(刷り込みから対話へ)

●総合科学技術会議の再編
大学、特殊法人など、省益にリンクする組織に所属する人間を排除。基本、専任とする。科学技術を公平に評価する。論文雑誌の発行。先端技術を平易な言語で解説するトランスレーター機能を持つ。責任ある立場からの擬似科学に関する情報提供。

●単年度予算の見直し(憲法改正含む)

●重要法案に対する国民投票の導入

●9条改正
実質的に軍隊なのだから、自衛隊を「軍隊」として明記。これが無理なら自衛隊は解散すべき。

●米軍基地対策
誰もが迷惑に思い、しかしなくすことができない施設なので、周辺地域(基地から5キロ、など)に税制優遇をして対応。具体的には、消費税非課税、所得税非課税など。もちろん、沖縄以外も対象とする。

●知的財産権の見直し(特許関連の法律の抜本的見直し)

●薬事法の見直し

●大学評価制度の促進(低評価大学の補助打ち切り)

●公文書の西暦統一

●年金と生活保護の一体化

●東アジア関係の改善
平身低頭というわけではなく、きちんと対話を進める。東アジアとの貿易なしに日本の発展は考えにくい。

●TPP参入
ドーハ・ラウンドを見据えたTPPへの参入、交渉の場への反対派派遣、自由貿易の枠組みへの積極的参入。

●産業政策
競争力のある産業に集中。ゆるやかなインフレを目指す。

●放射性物質の拡散反対(広域処理に反対)

●情報公開の促進(政府情報のさらなる公開(安全情報を除く))


日の出テレビは、神奈川県や横浜市の自民党議員、元議員によって設立されたネット放送局で、現時点では自民党カラーが色濃いのは間違いない。僕はそこの放送局で放送しているし、日の出テレビに関係している自民党の議員、元議員の半分くらいの人とは直接の面識もあるので、できれば彼らには選挙で頑張ってもらいたいなぁと思いつつ、これでは自民党に投票するのは嫌だな、と感じたし、僕の放送でもその旨、喋ったんじゃないかと思う。

ところが、昨日の放送を観て、あれ?っと思ったのである。録画で見ることができるので、暇な人はちょっと見てみて欲しいのだけれど、忙しいなら僕のこの記事を読み進めてくれれば良い。



Video streaming by Ustream

何が「あれ?」なのかって、この番組で、出演者の山際太志郎氏と福田峰之氏がしゃべっている内容は、ほぼ完全に僕の主張と一致しているのである。つまり、彼らの主張は、自民党が発表した選挙公約とは全然違うものなのだ。

冒頭、「共通の政治的主張や目的を掲げ、それに沿った政策の実現を目指す政治的組織」と僕なりの政党の定義を書いたのだけれど、僕には、彼ら、あるいは自民党神奈川県と、自民党本部とは、実現を目指している政策が全く違うとしか思えない。多分、政治的主張も違うんだと思う。組織で言えば当然自民党本部が上位にあるのだから、僕としては、「じゃぁ、なんで山際さんと福田さんは自民党にいるんだろう」となる。だって、目指している政策が、ほぼほぼ真逆なのだから。

#社民党のような、真逆ではなくトンチンカンな政策を目指している政党については論外。

僕が思うのは、山際さんと福田さんが僕の選挙区にいなくて良かったということである。もし僕の選挙区だったら、誰に投票すべきか、非常に悩んだと思う。

放送の中で僕が「お二人の話を聴いていると違和感全然ないんだけど、自民党の公約を読むと自民党に投票する気には全くならないんだよな。不思議だ。」とコメントしたら、山際氏は「僕たちが主流派となれていないから」という主旨の返事をしていたのだけれど、こういう状況で僕のような立場の人間はどういう投票行動に出れば良いのだろう?山際氏や福田氏は支持するけれど、彼らに投票することによって自民党の選挙公約を支持したと思われるのは真っ平御免なのである。

なぜ二人は自民党であり続けるのか。もしかしたら、「政党」とは、僕の考えている定義とは全く別の言葉で規定される組織なのかも知れない。「政党」って、何なんですか?僕は、こんな基本的なことすらわかっていない。

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