2013年04月25日

ガジェット通信のウェブライター「まあちゃん」って、どこの馬鹿だよ(笑)?

時々こういう馬鹿記事が掲載されるので困ってしまうのですが、

遺伝子組み換え食品不分別とは
http://getnews.jp/archives/328400

念のため、きちんと間違いを指摘しておきます。

異種の生物から抽出したDNAを、試験管内で、酵素などを用いて切断し


異なる種の場合もあるし、同じ種の場合もあります。

異種であって、同じ系列の作物ではないということ


「異種」「系列」の定義が不明確です。

異種の遺伝子が入った食品を食べて、アレルギーとか引き起こさないの?とも思います


可能性はありますが、既存の食品と比較してアレルギー発症の可能性が大きくなることはありません。キウイが日本に入ってきた時、「アレルギーを引き起こさないのか」と心配しなかったのであれば、遺伝子組み換え食品でも心配する必要はありません。すでに遺伝子組み換え食品は大量に消費されていますが、今のところ、私の知る限りにおいては「遺伝子組み換えだったことに起因したアレルギー発症事例」はありません。

もともと入ってなかった遺伝子が’体に入り込むのに、全く問題ないと言えるのか?


特殊なウイルスを使うなど、非常に特別な操作を施さない限り、遺伝子は体に入り込みません。

微生物、植物、動物などの入ってなかった遺伝子の影響が全くない、ゼロとは言えない


ゼロとは言えませんが、ほとんどゼロと言えることが確認されたものだけが、遺伝子組み換え食品として利用されています。

流通時に、遺伝子組み換え作物とそうでない作物が混ざって、わからなくなってる時


違います。生産から流通に至るまでの全てのフェイズにおいて遺伝子組み換え作物と分別していない場合に表示しなくてはなりません。

フランスのマウスを使った実験で、遺伝子食品を与え続けたネズミのお腹に、体型が変わるほど大きな腫瘍が出来た


こういった事例を引用する場合は、どの論文が該当するのかを提示するのが当たり前で、この記述が何を指すのかがわかりません。好意的に解釈すれば、この文章で指摘しているのはGilles-Eric Seraliniによるラット(マウスではありません)の実験に言及していると考えられますが、Gilles-Eric Seraliniの実験は当初ル・モンドに「GMOによってラットに悪影響が出た可能性がある」と報じられ

http://www.lemonde.fr/planete/article/2012/09/19/un-ogm-de-monsanto-soupconne-de-toxicite_1762236_3244.html

その後、科学的な検討によって全面的に否定されています。

http://dotearth.blogs.nytimes.com/2012/10/19/six-french-science-academies-dismiss-study-finding-gm-corn-harmed-rats/

マウスでこれだけの症状が出るということは、人間でも必ず体に悪影響が出るということ


マウスでの実験は見当たりませんし、ラットの実験は科学的に「悪影響が出るという主張は全く信用できない」と結論付けられていますが、仮にラットの実験が正しいと仮定したとしても、「ラットで症状が出るから、人間でも必ず悪影響が出る」とは言えません。

食品の安全は、ほぼ壊滅状態になる


今のところ、遺伝子組み換え食品によって食品の安全が壊滅状態となった事例は、国レベルを含めて、見つかっていません。


結論:まあちゃんって、どこの馬鹿だよ(笑)?

ちなみに、この分野にはとても良い参考書があります(著者ですが)


情報交換の場として、Facebookページも作ってあります。
http://www.facebook.com/kumikae

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