道民カードを所持している元北海道民にして歌志内市の名誉市民でもある僕にとっては、砂川に本店がある北菓楼が協力しているだけで見逃せない本シリーズである。
が、冒頭の入りはなかなか期待させたのだけれど、時間稼ぎとしか思えない、存在意義が不明のオネエチャンネタあたりから急激に失速。以後、ラスト近くまでペースは回復しなかった。退屈すぎて時計を確認すると開映から65分後だった。それからの約一時間は眠気との戦いとなった。ラストで明らかになったメインディッシュだけはそれなりだったけれど、これひとつで2時間引っ張るのには無理がある。いくら小ネタを盛り込んでも退屈なものは退屈だ。
要すれば、ストーリーがせいぜい一時間ドラマ分ぐらいの分量しかなく、脚本家が苦心惨憺したところで、その希釈感はどうにもならなかったということだ。前作が好意的に受け入れられたために大慌てで作ったのかもしれないが、柳の下にドジョウが二匹いるという状態になるかどうかは広告代理店の手腕次第だろう。少なくとも口コミで客が呼べるような質ではなかった。
この映画で唯一評価できる点はオカマを肯定的に取り上げたことで、同性愛者やオカマが差別的に見られてしまうことがまだまだ多い日本社会に対する啓蒙という意味はあると思う。しかし、それ以外の意味は見いだせない。カッコ良いヒーローが大活躍するでもなし、すげぇ可愛いヒロインが愛想を振りまくでもなし、眼を見張るようなアクションがあるわけでもなし、引き込まれてしまうストーリーが展開されるでもない。
前作はもちろん、テレビドラマ「リーガル・ハイ」でも素晴らしい脚本を書いた古沢良太だが、ちょっと出来不出来の差が大きい。本作は残念ながら失敗作だと思う。評価は☆ゼロ。
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