おのれナポレオン、公演序盤で観た段階で「これは9,500円の価値はない」と判断したので、ライブビューイングで観るつもりで、チケットも確保してあった。ところが、ご存知のように天海祐希さんが心筋梗塞で倒れてしまい、公演は中止、ライブビューイングも吹っ飛んでしまった。しかし、野田秀樹の人脈か、最後の最後になって宮沢りえのピンチヒッターが登場して、金曜日からの4公演だけ、代打の宮沢りえによって続けられることになった。こういうことなら、どんな芝居になったのか、ちょっと観ておきたくなるのがオタク根性というもの。
本当なら金曜日に観に行きたかったのだが、残念ながら金曜日は僕自身がテレビの生中継があって観に行けない。そこで、土曜日の当日券に並ぶことにした。芸術劇場は9時オープンで、それ以前には並ばないでくれ、とのことだったので、9時過ぎに現地に行った。と、なんと、9時の時点で抽選をやってしまったとのことだった。これはちょっとないだろ、と思ったが、芸術劇場も一杯一杯の状態なんだろうと思って、夜の部に並ぶことにした。ところが、夜の部を観るためには、9時から夕方の6時まで並ばなくてはならないという。いくらなんでも、この芝居のために9時間も並ぶのはいかがなものか。僕は別に宮沢りえのファンでもないのだ。ただ単に、「あの芝居が宮沢りえになるとどう変化するのかな」と、確認したかっただけなのである。ということで、一度は列に並んだものの、やっぱり帰ることにした。その際、明日の抽選のやり方も確認しておいた。ただ、その抽選のやり方には色々と問題がありそうだったので、ブログには書かないでおいた。
そして、今日である。今日はちゃんと9時前に現地に到着した。すでに100人以上の行列ができていたのだが、抽選と知っていたので問題ない。列の中にはTV局のADを含め、他人のために並んでいると思しきメンバーも含まれていた。これこそが、前日「問題がありそう」と考えた最大の理由だが、やはり気がつく奴は気がつくものだ。こうやって動員を図れば、当然当選確率がアップする。9時になると一旦芸術劇場の二階に列を移し、そこでまたしばし待ち時間。
そして、やっとこさの抽選である。抽選の前に、「今日はどんなに頑張っても150席、現実的には多分100席ぐらいが限界だと思う。なので、くじ引きで150よりも大きな数字を引いた人は諦めて欲しい」という旨の説明があった。並んだのは多分300〜400人。結構狭き門である。ここでちょっと思ったのは、中止になってしまった公演のチケットを持っている人間を少しは優遇すべきなんじゃないか、ということ。僕のチケットはライブビューイングだからそれほど自慢できないが、中止になった公演の、劇場のチケットを持っていた人たちはちょっと気の毒過ぎる気がする。
とはいえ、くじは引かなくてはならない。当たるかなー、二桁、できれば一桁の数字を引きたいなー、などと思いながらくじを引くと・・・
まぁ、世の中とはこんなものである。落選した中では2番だけど、151番よりは悔しくない。ということで、芸術劇場をあとにして、プランBの休日を過ごした。
今回の処置、芸術劇場としては目一杯頑張ったんだと思うけれど、それでも問題はいくつかあった。列挙するとこんな感じである。
○9時の時点で抽選を行う、という正式な告知がなかった
○行列代行に対する防止手段がなかった
○無駄に長時間の行列を強いた
○中止公演のチケットのホルダーに対する優遇措置がなかった
○抽選の不正防止が甘かった(こっそり、複数のくじを引いてしまうことが可能なやり方だっった)
時間と資材があれば、次のようなやり方が良かったと思う。
1.抽選時間をきちんと告知する
2.くじは、本人が確実に一枚だけ引く(くじを開くのは係員がやる)
3.当選者は、遊園地の途中退場などで利用するスタンプを腕に押す
4.当選者は開場一時間前に再集合して、座席を決める
裁判の傍聴などでもマスコミがバイトを雇って並ばせるといったことをやるようだが、そのノリで芝居の当日券にまで資本力を利用して動員されてしまうのは、一般のファンとしてどうも納得できないところがある。
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