2013年05月14日

春木屋(再評価)

杉並区のラーメン本を作る上で、絶対に外すことができないのが春木屋である。私が最後に食べたのは98年で、さすがに情報が古過ぎる。ということで、再評価である。ちなみにこれまでの評価はこんな感じだ。

94.6.20
荻窪ラーメンの老舗。いつも混んでいるので5軒ほど隣のセブンイレブンで新聞、雑誌等を買ってから並ぼう。超有名店なので話の種に一回行ってみてはどうか。ちなみに味の方であるが、東京ラーメンとしては間違いなくおいしい部類にはいる。しかし、この手のラーメンは特徴がなく、「すげーうまい」という評価は得にくいだろう。


98.11.15
スープは豚骨トリガラブレンドでやや豚骨が強めがベース。これに野菜や昆布などを加えたものに海産物系の返しを加えたものと思われる。西東京独特の魚系の風味が強い醤油味で、スープ単独ではかなり美味しい部類。麺は東京ラーメンとしてはやや太めの縮れ麺。コシがあって美味しいがスープの絡みが今ひとつ。麺にスープが絡まないときはスープか、麺か、どちらかに弱点があるものだが、この店の場合はちょっとどちらが悪いのか判らない。恐らく、もう少し麺を細いものにすればスープの絡みが良くなると思うのだが、そうするとコシがなくなるなどのデメリットも生じるはず。とすれば、改良すべきはスープの味の濃さになるのかも。一応、スープの評価をBにしておくことにした。なお、チャーシューは部分的には標準レベルのところもあるが、ほぼ「まずい」部類。これで500円も高くなるのでは、チャーシュー麺はお金の無駄だと思う。


では、以下、最新版の評価である。

13_05_13_2709

名称:春木屋
種類:東京
場所:荻窪
注文:中華そば
評価:5/ABC
2013.5.13
コメント:ベースは鶏ガラ、豚骨ブレンドと思われる醤油味で、軽く濁ったもの。このあたりのラーメンの特徴は魚介系の和風だしだが、この店の場合、それが強烈ということはなく、バランスが良い。スープの表面には動物性の脂の膜があって、これが微妙に味をボケさせているのが惜しい。この膜によってスープの温度が下がってしまうのを防止しているのだろうが、味との両立が難しいところである。とはいえ、薄味に感じることはなく、麺を食べさせるだけの力はある。

麺はやや加水率が高めかな、と感じる太めの縮れ麺。スープは程よく絡むし、コシもしっかりしている。わずかにかん水臭が感じられるのだが、これは多分熟成時間が足りないんだと思う。

チャーシューは味も素っ気もないので、トッピングするのはお金の無駄。

超老舗だが、それでこの質を維持しているのは素晴らしい。食べたのは15年も前だが、その頃と比較しても美味しくなっている気がする。ただ、これが800円と言われると、ちょっと高いかな、と思う。

13_05_13_2710

店名 春木屋 荻窪本店
TEL 03-3391-4868
住所 東京都杉並区上荻1-4-6
営業時間 [月〜土]11:00〜22:00 [日]11:00〜21:00
定休日 年中無休

この記事へのトラックバックURL