2013年05月16日

県庁おもてなし課

観始めて30分で飽きてしまった。堀北真希は可愛いのだが、まず登場がまずい。どう見てもギヤ比で劣るママチャリが凄い勢いで走っていく様をみて、これはダメだ、となってしまった。

おかしなシーンは他にも満載である。夕焼けに向かって叫んでいたと思ったら、次の瞬間夜になっている。その間に何があったのかを観客に想像させるのならわかるのだが、そういう意図を持った演出ではなく、ただ単にそういう絵を撮りたかっただけのように思える。他にも、「これは時間軸がちょっとおかしいだろ」という描写がいくつか見られた。

さらに、ヒロインの堀北真希が超人っぷりを見せるのかと思いきや、途中からはただ可愛いだけのお飾りになってしまい、目立った活躍は「トイレをきれいに」という、誰でも出せそうなアイデアだけである。

軸となる高知県の開発ネタもちょっとどうなのか。実際に三菱総研で地方自治体のコンサルをやっていた立場からすると、あんな仕事のやり方はありえない。もしかしたら高知県だけは特殊なのかも知れないけれど、仕様が決まっていない発注はたとえ随意契約であっても無理だと思う。あれで議会や県民が納得するとしたらびっくり仰天である。それに、アイデア自体も全く普通で、これであの金額が貰えたらこんなに美味しい商売はない。

テレビのシーンもひどい。「ゲストのゲスト」の話でほとんど全部終わってしまっていて、放送事故レベルである。パラグライダーのライセンスを持っている僕に言わせるなら、「飛び降り」とかも大げさ過ぎる。初めてだって、そんなにはビビらないし、斜度だってせいぜい30度ぐらいのものである。それにパラをやっているのは、実は7割以上が女性のような気がするのだが・・・。

原作ものということもあってか、もっと長尺の映画を無理やり短くしました、という感じを強く受ける。それでいて退屈なんだから、ストーリーに起伏がなさすぎるのだろう。大体、誰も活躍しないし、仕事もほとんどしていない。

脚本や演出がダメなら、役者を観るか、と思えば、主役の錦戸亮が異常なまでに下手くそでびっくりした。女優も男優も脇役はしっかりしているのに、主役が酷くて全てが台無しになっている。「ちょんまげぷりん」では演技力を見せつけるまではいかないまでも、コミカルな役をうまくこなしていたのに、本作では相当に残念な出来だった。勢いがある役はできても、演技で見せるのはまだまだ無理だと感じた。役者で存在感を見せたのは、可愛さで見せた堀北真希よりも関めぐみの方だったと思う。

観光課を題材にしているので、映画全体が観光PR映画になっていることにそれほど違和感がなかったのがせめてもの救いである。堀北真希と関めぐみに☆一つおまけ。

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