2013年11月15日

ルームメイト

北川景子、深田恭子が共演するミステリー作品。

冒頭から音楽で盛り上げるホラー調の演出が緊張感を維持する。物語の全体構図がぼんやりと見えてくるまでテンションが高い状態を維持していているところがなかなか評価できる。途中で「あぁ、そういうことね」と思ってから色々なシーンを思い返してみると、なるほど、ちゃんと伏線を張ってあったのね、と思い当たる。このあたりは脚本がしっかりしている。

ただ、残念なのは最後の最後。ネタバレになってしまうので詳細は書けないのだが、ストーリーにちょっと難ありというか、観る側の意表をつこうとして策士策に溺れたという印象がある。「クロユリ団地」よりは良く出来ていると思うし、ホラー色の濃いミステリーとして標準以上だとは思うけれど、これでもうちょっと良いストーリーだったらなぁと勿体なく感じる。とはいえ、本作のストーリーは原作本と違う内容になっていて、原作に誰がどういう風に手を入れたのかは良くわからない。

原作ものの映画では、原作者の意向とは全く関係ないところでストーリーに手を加えられてしまうことが少なくない。おかげで原作とは似ても似つかぬ内容になって、原作では重要人物で続編でも活躍する登場人物が映画の中では犯人になっていて映画中で死んでしまったりもする。ところが、原作者としては、それでも話題になるし、本が売れれば文句を言えない。このあたりの、映画製作サイドの「売れれば良いだろ」的な圧力がかかってしまうケースが時々あるので、この映画でもそうした力が働いた可能性もあると思う。

「原作とは違うびっくり」を仕掛けたのは悪くないのだが、そのびっくりの質がそれほど高くなかったことが、なんとも残念である。残念といえば、もうちょっと深キョンの肌の露出が多ければなぁ、というのもある。ドロンジョが標準ラインなので、あれよりもサービスしてくれないと、ちょっと物足りない(笑)。

評価は☆2つ。

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