2013年11月20日

かつ善

川越グルメといえば芋か鰻だが、とんかつの楽天という名店があった。このとんかつ屋、上野にあった創業昭和6年の老舗の暖簾分けだったのだが、上野の本店は30年近く前に廃業してしまったそうだ。その味を残しているのが水戸と川越の2店だったのだが、昭和48年から続いていた川越支店も、5年ほど前に営業しなくなり、いつの間にかそこには一軒家が建ってしまった。はて、川越からはうまいとんかつは失われてしまったのか、と、知り合いの川越市民にきいてみたところ、「かつ善という店に時々行く」ということだったので、食べに行ってみた。

店に着くと、大きな駐車場は一杯で、しばらく駐車場の外で待たなくてはならなかった。また、ようやく車を停めて店に入っても、店内は満席。運良く前のお客さんが席を立ったので、ようやく席に着くことができた。

メニューを見ると、特大、大、中、小という文字があって、かなり嫌な予感がした。店員さんに「これは、質が良い、悪いではなく、単に大きさですか?」と質問したところ、そうだという返事である。小と中は1,000円前後の価格。これで良い肉が出てくるわけがない。しまった、また失敗した、と思いつつも、わざわざ川越くんだりまで出かけてきたのだから、食べないわけには行かない。それに、大きさだけで値段が決まっていたとしても、鰻のように、大きくなったことによって脂が乗るといったことも可能性がないとは言えない。そこで、「大」を注文してみた。
















しかし、出てきたものは、「中」のとんかつが2枚という、ただただ量が増えただけのものだった。肉の質は当然1,000円程度のものなので、高いところを望むべくもない。凡庸な肉を揚げたヒレカツが、ご丁寧に二枚もある。これを苦労しながら胃袋に押し込んだのだが、これが苦行と言わずして何なのか。とはいえ、これはきちんと情報を仕入れなかった自分が悪い。ダイエット中ということもあって、朝ごはんを食べずにやってきて、これを食べて、今日は夜ご飯は抜きである。なんとも残念だ。

とんかつ以外では、ご飯はなかなか美味しかった。しかし、あとはどれもこれも普通のレベル。ちょっと、遠出して食べに来るほどのクオリティではなかった。やはり、川越からは良質なとんかつは失われてしまったのかも知れない。

店名 かつ善
TEL 049-233-3207
住所 埼玉県川越市鯨井544-1
営業時間 11:00〜21:00
定休日 年中無休

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