2013年12月06日

永遠の0

試写会で鑑賞。

何も知らないと「永遠の1/2」みたいな内容かと思うかも知れないが、戦争映画である。何しろ、「0」はゼロ戦の0である。

祖母が死んだ際に、祖父が祖母の二人目の旦那だったと知った孫が、実の祖父で、ゼロ戦で特攻した祖父について調べていく、という内容。

中心となっているストーリーは決して悪くないのだが、まず脚本のできが悪い。しょうもない脚本でどうして映画を作ってしまうのかさっぱり理解できないのだが、おそらく今の映画製作の現場では、この脚本のダメっぷりが感じ取れないのだろう。どうしてそんな不自然な会話になるんだ、と不思議に感じるのだが、まともな日本語の感覚を持っていない人には、この感覚が共有できないに違いない。もうちょっとまともな脚本家を使えればねぇ、と思うのだが、監督兼脚本なのでどうにもならなかったのだろう。

脚本に輪をかけてひどいのが準主役の三浦春馬である。この役者をきちんと観たのはこれが初めてだが、ここまで下手な役者は久しぶりに見た。高校生の学芸会並みの演技である。普通なら、冒頭の戦闘シーンで敵の空母に特攻してお役御免になるはずだ。それが最後までストーリーの中心として画面に登場するので、その度に腹立たしくなる。また、その姉役の吹石一恵という女優の大根っぷりも激しい。この二人が画面に登場するたびに脱力してしまう。

じゃぁ、ウンコ役者ばかりなのかと言えば、決してそんなこともない。濱田岳や染谷将太は熱演しているし、井上真央の演技も決して悪くない。問題なのは非常に重要なパートにド下手な役者を配していることだ。配役を演技力で決めていればこんなおかしなことにはならないはずなのだが、下手でも中心的な役ができてしまう何らかの力が存在するのだろう。はて、こいつはジャニーズか?と思って調べてみたが、ジャニーズではないらしい。謎だ。役者が下手なら、監督がオッケーを出すべきではないのだが、そこでオッケーを出してしまうのだから、監督の責任も小さくない。

そして、もう一つダメなのが3DCGアニメである。冒頭の特撮シーンでまずズッコケたのだが、最も酷いのが海面の上に乗っている空母の描写である。良くこんな酷い特撮でオッケーが出たものだと感心する。

脚本ダメ、役者ダメ(ただし一部)、特撮ダメの三拍子揃ったダメ映画なので、「この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞」に投票しておく。濱田、染谷、井上の頑張りに☆をプレゼントしたいのは山々だが、そのたびに三浦春馬の顔がチラついて、プレゼントは見合わせることにした。評価は☆ゼロ。

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