劇場公開時は愛、アムール(=愛)と、愛を二つ続けた邦題が奇妙で観る気がしなかったのだが、DVDでレンタルしてみた。
音楽家の老夫婦のうち、妻のほうが体調を崩し、要介護となる。妻はどんどん弱っていき、やがて夫も弱り始める。妻はそんな状態に嫌気が差してきて、という非常に暗い映画。老々介護が普通になりつつある高齢化社会では特に珍しい話でもなく、単に僕達が目を逸らしているだけ。その厳しい現実を「ほら、こんなものだぞ」と観せてくれるありがたい映画。
ともかく異常に暗くて異常に悲しい映画なので、気分が沈んでいるときに観てしまうと一層沈むこと間違いなしである。老々介護や尊厳死の問題はこれからも頻繁に議論になるだろうから、そのときの材料としても、一度は観ておいたほうが良い。でも、二度は観なくても良いかな?あるいは、あと20年ぐらいしたら、観てみると良いのかも知れない。評価は☆2つ。