2014年05月29日

ホーリー・モーターズ

holymotors


観る人を選ぶ作品。

舞台はパリで、登場人物たちは一見普通だが、主人公を含め、多くの登場人物は現実とかけ離れていることが徐々にわかってくる。その吹っ飛び具合を楽しめるかどうかでこの映画の評価はわかれるだろう。あくまでも現実の世界に囚われるタイプの人は、頭の周囲にクエスチョンマークがぐるぐる飛び回ったままで終了となるはずだ。ただ、何がなんだかわからなくても、あまりに意外な展開に思わずずっこけてしまうことは一度や二度じゃないだろう。「えーーーー???」と、観る側の斜め上を行くあたりはなかなか素晴らしい。

ハードルはもうひとつあって、監督がこの作品で何を描きたかったのかも難解。観る人の感覚を破壊したかっただけなのか、それとも何か特別なことを主張したかったのか。正直、僕は何を言いたかったのかはわからなかった。

評論家筋にはとても評判が良いと思うのだが、一般の映画ファンには難しいと思う。不条理演劇などを見慣れている人にとっては、「あぁ、そういうこと」となるはずだが、そういう層が日本にたくさんいるとも思えず、ヒットはしなかっただろうなぁ、と思う。でも、DVDでなら、観ても良いのではないか。僕も、また数年経ったら、もう一度観てみたい。

評価は☆2つ。

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